奇跡のような出来栄え、アルコ&ピースのメタ漫才
アルコ&ピースの最初のネタが審査員全員の票を獲得したのは、彼らのメタ漫才が同時にドキュメンタリー的な要素が濃かったことが、功を奏したのでしょう。普段はほとんど出さない平子の福島なまりもプラスに働きました。ただ、審査員のテリー伊藤が言った「いちばん面白いのを見せたから、次が大変だよ」という意見のとおり、同タイプの漫才で挑んだ最終決戦は3組中3位の成績。くしくもメタ漫才の弱点を露呈した形になりました。
笑い飯に感じたある違和感
最終決戦には残らなかったものの、笑い飯も独自の世界を描き出して、爆笑をさらいました。しかし今回は「それ、オレの面白いヤツや!」といったメタ漫才的ツッコミを使わなかったこともあって、WボケWツッコミの漫才がぼやけたものになった感がありました。哲夫のボケを、そのまま西田がパクる。そこまでは良いとして、そのボケを普通に哲夫が突っ込むことは、自分のボケに自分でツッコミを入れることになり、観客は違和感を持つ筈です。過去のフレーズに頼らない笑い飯のポリシーはカッコいいと思うものの「オレの面白いヤツ」に匹敵するメタな台詞を考案すべきでしょう。