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THE MANZAI 2012に見る「メタ漫才」の研究(2ページ目)

2012年の「THE MANZAI」は、ハマカーンの優勝で幕を閉じました。しかし今回は参加12組すべてが面白かった。ネタがスベったコンビが1組もいなかったように思います。そこで、ネタの良し悪しをあげつらうよりも、全体の印象を主観たっぷりに語ってみたいと思います。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

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奇跡のような出来栄え、アルコ&ピースのメタ漫才

アルコ&ピースの最初のネタが審査員全員の票を獲得したのは、彼らのメタ漫才が同時にドキュメンタリー的な要素が濃かったことが、功を奏したのでしょう。普段はほとんど出さない平子の福島なまりもプラスに働きました。

ただ、審査員のテリー伊藤が言った「いちばん面白いのを見せたから、次が大変だよ」という意見のとおり、同タイプの漫才で挑んだ最終決戦は3組中3位の成績。くしくもメタ漫才の弱点を露呈した形になりました。

笑い飯に感じたある違和感

最終決戦には残らなかったものの、笑い飯も独自の世界を描き出して、爆笑をさらいました。しかし今回は「それ、オレの面白いヤツや!」といったメタ漫才的ツッコミを使わなかったこともあって、WボケWツッコミの漫才がぼやけたものになった感がありました。

哲夫のボケを、そのまま西田がパクる。そこまでは良いとして、そのボケを普通に哲夫が突っ込むことは、自分のボケに自分でツッコミを入れることになり、観客は違和感を持つ筈です。過去のフレーズに頼らない笑い飯のポリシーはカッコいいと思うものの「オレの面白いヤツ」に匹敵するメタな台詞を考案すべきでしょう。
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