投資信託/安全性の高い投信、MRFとMMFの活用法

MRFは事実上の元本保証商品になる?(2ページ目)

証券会社版の普通預金とも言われるMRF(マネー・リザーブ・ファンド)。証券会社でさまざまな取引を行う場合の決済口座として活用されていますが、投資信託の一種であるため当然ながら元本保証はありません。しかし、損失が出ると直ちに引き出すのが難しくなるため、運用会社などの損失補填を認めて元本を維持できるように法改正が行われる予定です。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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大手銀行の定期預金より利回りは高い

公社債投資信託なので、MRFにも運用実績に応じた金利相当が付くことになります。毎日決算は行われますが、原則として、信託財産(投資資金等)から生じる利益の全額を毎日分配しています。分配金は、毎月最終営業日に1か月分がまとめられ(税金等が差し引かれて)、自動的に元本に再投資される1ヶ月複利となっています。分配金は過去7日間の平均利回りという形で表示が行われ、おおよそ0.06%前後の運用実績(平成24年12月17日現在)になっています。

0.06%という運用実績だとたいしたことはない思われがちですが、大手銀行の1年ものスーパー定期の金利は0.025%しかありません。預入期間を3年、5年など長くしても、適用金利は0.03%程度しかありません(いずれも平成24年12月17日現在)。しかも、定期預金は満期まで預け入れて始めて、表示された金利(利息)を受け取れるのであって、満期前に中途解約した場合は普通預金金利(0.02%)以下になるかもしれないのです。

ネット銀行の定期預金金利には負けるものの、大手銀行の定期預金金利を上回る実績。もちろん、これまでの運用実績が保証されているものではありませんが、運用対象となる債券などの金利を見れば、少なくとも1年定期預金金利を大幅に下回ることはないと思われてなりません。

加えて、最大のネックであった「元本保証なし」が改定されて、損失補填が認められる=事実上の元本保証となるのですから、安全性はかなり高くなるのです。
繰り返すようですが、普通預金のようにいつでもペナルティなしで出し入れ自由という流動性の高さ、かつ普通預金や大手銀行の1年定期預金などよりも好利回りとなれば、かなり使い勝手がよくなるはずです。

損失補填が可能になる法改正は、2013年の通常国会に改正案を提出し、2014年に施行を目指す予定です。施行されればお金の動きが大きく変わる可能性を秘めていますが、MRFが給与振込口座にとして広がらない限りは難しいかもしれません(現在でも、MRFを給与振込口座にすることは可能)。

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