戦後の名残を残す商店街にある隠れ家的寿司屋 「鮨 えにし」
目の前に豊穣の海、相模湾が広がる鎌倉は海の幸に恵まれた土地。街中には美味しいお鮨屋さんが多いことで知られます。そんな中で、美味しいだけでなく、お手頃な料金で「旨い鮨」を堪能できる隠れ家的な江戸前鮨のお店があります。それが、鎌倉駅からほど近い丸七商店街にある「鮨 えにし」です。JR鎌倉駅東口を出て、すぐ右手の東急ストアの前を真っ直ぐに進んで行くと、突きあたりになにやら怪しげなアーケードが見えてきます。ここが戦後の鎌倉の名残を今に伝える丸七商店街です。
はじめて訪れた人は入るのに少々勇気がいるかもしれません。しかし、中に入ればそんな杞憂もどこへやら、居酒屋、惣菜屋、雑貨屋など実に個性に溢れたお店がぎっしりと軒を並べています。
そんな商店街の中ほどに、「鮨 えにし」があります。白字で「えにし」と染め抜いた緑色の暖簾が目印です。暖簾をくぐり、引き戸を開けるとそこにはわずか5席ほどのカウンターの空間が……。若い大将と女将さんの2人で切り盛りする本当に小さなお鮨屋さんです。
「鮨 えにし」のメニューはお好みのみ。カウンターの向こう壁にその日の鮨ネタと価格が書かれていて、どれも、2貫で200円~600円という手頃な価格です。
お酒はビール、日本酒、焼酎、ワインとあり、その日のおつまみメニューも揃います。ランチタイムはお好みのお寿司をさっと食して、夜は、おつまみを肴にお酒を飲み、お鮨で締めるという楽しみ方が向いているお店です。
お鮨を注文すると、煮切りを塗ったにぎりが、2貫づつ目の前に並べられます。小振りでふっくらと握られているので、女性でもすんなりと口におさめることができます。
仕入れは、横浜市中央卸市場。大将が毎朝4時半に起きて、自らの目にかなった魚を仕入れ、その日の仕込みに入るという鮨に対して真摯な取り組みが、「鮨 えにし」の味を支えているといえるでしょう。
新鮮なネタは鮮度良く、コハダやアナゴなどのネタは江戸前の技法を生かして、しっかりとした仕事を施す。そんな、本格的な江戸前寿司をお手頃な価格で味わえる貴重なお店です。
■鮨 えにし
場所:鎌倉市小町1-3-4
電話:0467-25-0204
営業時間:12:00~14:00、17:00~21:00
定休日:水、第2、4木曜日
アクセス:JR横須賀線「鎌倉駅」から徒歩約5分
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