人は「安定」と「刺激」を求める

私はもう一生、トキメキとは無縁なの?

私はもう一生、トキメキとは無縁なの?

2011年3月11日の大震災のように、生死を意識させる大きな出来事に遭遇すると、人は人生の意味や幸福について考えたり、自分が欲するものを検証したりします。絆を求めて、恋人や結婚を欲したり、逆に、自由や独立を求めて、離婚やパートナーとの別離を選択したり。そして、それまで気付かなかった自分の欲求を知るキッカケになることもあります。

震災当日、配偶者や恋人に連絡を取り合う同僚を見て、「自分には、そういう対象すらいない」と愕然としたと話す友人がいました。恋人がおらず孤独を感じている時は、たった一人の信頼できるパートナーがいれば、どんなに心強いこと思うでしょう。しかし、一度安定した関係を手に入れた後は、エミさんのようにもう1つの欲求が、じわりじわりと顔を出すことがあります。
人には、「特定のパートナーとの関係や絆を深めたい」と安定を求める気持ちと、「特定または不特定多数のエロスを感じる相手と交わりたい」と刺激を求めようとする一見相反する欲望が存在します。一人もいないのはイヤだけど、完全に二人だけの関係で閉じられてしまうのもつまらない。傍から見れば、わがままで贅沢な欲望です。でも、これも多くの人にとっての本音かもしれません。

配偶者や交際相手以外にエロスや恋愛感情を抱くことについては、「結婚しても恋愛したい?既婚女性の浮気の実態」でも書いたように、法律や常識や戒律で規制したり、本人の我慢や忍耐で自制したりして、欲望そのものは抑えることはできても消すことはできません。特定の恋人やパートナーの有無に限らず、魅力的な対象に出会えば性衝動を抱くのは、生物として自然なことです。自分の欲望を抑圧していると、欲望を実現している人を妬んだり、強く非難したくなるものです。一方、行動するか否かは別にしても、自分の欲求を自覚すると、人の欲望にも寛容になりやすいものです。本音と建て前では、世間一般とは、違うものになることも多いでしょう。