不妊症/全国の不妊治療の病院・クリニック・治療院

京野アートクリニック高輪訪問記(2ページ目)

今年の9月1日、Fine祭り(iCSi会議)が京都の立命館大学で開催されました。その時、講演に来られていた京野アートクリニック理事長の京野廣一先生と廊下でばったりお会いしました。京野先生は日本の不妊分野におけるオピニオンリーダーの1人です。東北の生殖医療は京野先生が切り拓いてきたといっても過言ではありません。

執筆者:池上 文尋


京野先生インタビュー

Q)なぜ品川という場所に開業したのですか?

それはこの場所が空いていたからです(笑)。
東京の地図を買ってきて、不妊専門クリニックを地図上にプロットしたのです。それで品川が空いている事に気づき、ここに決めました。JR、新幹線、羽田空港と交通のアクセスも良いですから。
kyono

中待合の廊下です。奥行があるのがお分かり頂けるかと思います。


Q)なぜ東京に進出されたのかを教えてください。

最初、私も病院の勤務医でした。その時にはガンとお産がメインで、生殖医療についてはそれらの仕事が終わってから行なうような形で、よい成績を出すのには困難な状況でした。

ご存知の通り、私の入局していた東北大学は日本に先駆けて体外受精に成功した大学です。それを経験し、1992年のICSI成功から男性不妊患者さんも子供が授かれる時代になりました。

そんな生殖医療の進歩激しい1995年に宮城県古川市で開業しました。池上君も来てくれましたが、田舎で駅からも遠いクリニックでした。冬になれば雪かきから仕事がスタートするようなところでした(笑)。

そんなところでしたから、いい医療を提供するためにスタッフをどのように集めるかというのがいつも問題でした。

そこで、2007年、仙台駅前に京野アートクリニックを作りました。そのお陰で多くの優秀なスタッフが集まってくれました。それで私に勇気が出ました。
kyono

パウダールームです。女性にとっては嬉しい配慮ではないでしょうか。


そして、昨年の大地震があり、またマインドが変わりました。
被災者のために頑張ろう。スタッフのために頑張ろう。そして凍結された卵子や精子や受精卵を安全に管理できるシステムを確立しよう。

リスク分散のためにも東京にクリニックを作るべきではないかと考えました。

また、東京に来る事により、また優秀な方々が集まってくれるのではないかと思ったのです。若く優秀な人材を育てたい、そんな気持ちが強いのです。

凍結した卵子の話なのですが、これらをつむいでいくことが必要だと思っております。これは当院だけの話ではなく、他院の卵子においても同じです。それを受け入れる体制を作りたいと考えております。それは我々だけではなく、JISARTのような組織にてDr複数で管理し、リスクが分散されるような仕組みにしていくべきだと考えております。
kyono

理事長の京野先生です。笑顔で案内して頂きました。


アメリカのメーヨークリニックのように100年以上の長期間、良質の医療を提供しつづけ、患者さんの記録を80年以上残し、近親婚を避けるようなことを当院でも目標としています。

また、がん患者さんのための卵子凍結保存も行なってまいります。そのような卵子バンク的な事も考えることが東京進出につながりました。

まとめ

私はなぜ東北仙台のクリニック院長京野先生があえて、東京で開業されるのかを疑問に思っていました。また、なぜ竹内先生が木場公園クリニックを辞めて、こちらで働かれるのかも疑問に思っていました。

でもお話しているに従い、お二人とも理想の生殖医療を求めておられる結果、このようなムーブメントに結びついたのだなと腑に落ちました。

良い医療を提供したい、大事な卵子や精子を守りたい、良い人材と前向きな仕事をしたい、ごくごく当たり前だけど、それを愚直に実現化されているのだなと感じました。

クリニックの場所も医師もスタッフも設備もすべて最高品質を目指しているクリニックです。患者さんにとっては心強い専門クリニックがまた1つ出来た事は大きな福音に結びつくと感じました。

京野先生、竹内先生、長時間の取材ありがとうございました!
この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

<関連サイト>
京野アートクリニック高輪


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