今回は日本の代理母出産の今後についてお話をして行きたいと思います。色々と物議をかもしだしているこの話題ですが、様々な動きの整理をして
みましょう。

1)日本の医学界の判断

今年の4月に日本の産婦人科医の90%以上が加入する「日本産婦人科学会」の会告「代理懐胎に関する見解」が公表されました。

その内容は下記の通りです。

1  代理懐胎について

代理懐胎として現在わが国で考えられる態様としては,子を望む不妊夫婦の受精卵を妻以外の女性の子宮に移植する場合(いわゆるホストマザー)と依頼者夫婦の夫の精子を妻以外の女性に人工授精する場合(いわゆるサロゲイトマザー)とがある。前者が後者に比べ社会的許容度が高いことを示す調査は存在するが,両者とも倫理的・法律的・社会的・医学的な多くの問題をはらむ点で共通している。

2  代理懐胎の是非について

代理懐胎の実施は認められない.対価の授受の有無を問わず,本会会員が代
理懐胎を望むもののために生殖補助医療を実施したり、その実施に関与してはならない。また代理懐胎の斡旋を行ってはならない。

理由は以下の通りである.

1)生まれてくる子の福祉を最優先するべきである
2)代理懐胎は身体的危険性・精神的負担を伴う
3)家族関係を複雑にする
4)代理懐胎契約は倫理的に社会全体が許容していると認められない

これらの会告を簡単に言うと「倫理的にも社会的にもまだ日本では代理母出産を行なうまでの社会的コンセンサスを得られない」と判断しています。

これにより日本の大多数の産婦人科医は代理母出産は出来ない事になります。

2)患者側のニーズ

以前、オールアバウトでアンケートを行なった時に「代理母出産ででも子供がほしい」といわれたのは30名中1名でした。

しかし、これを単純に計算すると
75万組×10年÷10÷30=2.5万組のニーズがあるということになります。

これはどのような計算かというと1年の結婚数×子供をほしがる期間10年の10%が不妊患者でそのうちの30分の1が希望者という計算です。話半分だとしても常時1万組以上の要望があるということになり、その人達の希望はどうなるのかということになります。

女性は子宮筋腫やがん治療による子宮全摘も多いのはご存知の通りですが、それらの人は日本で代理母出産のチャンスはなくなります。

そこで今、多くの希望者がアメリカや韓国に治療へ行っている事実があります。ある代理母希望者に話を聞いたところ、子供がほしい人にとっては上記のような倫理や取り決めはまったく自分達の事を考えているのではなく、医者が後々、このような代理母で起きる面倒なことやトラブルを回避するために会告を作ったとしか思えないとのことです。

では、社会の声はどうなのでしょう?次ページでみてみましょう。