今年の9月1日、Fine祭り(iCSi会議)が京都の立命館大学で開催されました。その時、講演に来られていた京野アートクリニック理事長の京野廣一先生と廊下でばったりお会いしました。京野先生は日本の不妊分野におけるオピニオンリーダーの1人です。東北の生殖医療は京野先生が切り拓いてきたといっても過言ではありません。

京野先生とは以前、GnRHアンタゴニスト取材やFine祭りでもご一緒させて頂いたこともあり、きさくに声を掛けて頂けました。「東京高輪にクリニックを作り、今度、内覧会をやるから見においでよ」と。

ということで、京野レディースクリニック東京分院に取材をさせて頂く事になりました。それでは取材の様子をどうぞ。

私が取材に訪れたのは内覧会2日目でした。京野レディースクリニックの東京分院は高輪ということで、品川駅から徒歩5分の便利ですけれど閑静なところにあります。

院内に入って受付で記帳し、院内をぐるりと一周見て回りました。広い院内をスタッフの方々に丁寧に解説して頂きました。その写真は記事内で順番に紹介をさせて頂きます。

院内の様子を数カット紹介させて頂きます。クリニック内は約250坪の広さで、患者さんの視点に立った設計をされています。
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待合室です。広くゆったりとした作りになっています。


院内視察を終えて、医局にて院長の竹内 巧先生と理事長の京野先生に独占取材の時間を頂きました。

竹内先生インタビュー

Q)竹内先生は長年にわたり、アメリカで生殖医療を研究されてきたとのことですが、アメリカと日本の生殖医療の違いを教えて頂けますか?

アメリカと日本の状況はまったく違います。アメリカの場合、患者さんの年齢は比較的若いです。そして、排卵誘発で多く卵が取れて、新鮮胚移植も多く、妊娠率も高めです。日本の場合、患者さんの年齢が高く、凍結胚移植がメインです。

Q)コーネル大学におられたとのことですが、どんなことをされていたのでしょうか?

様々な生殖医療の研究をしておりました。男性不妊の研究も行なっておりましたし、ES細胞の研究チームにもおりましたので、様々な魅力的なプロジェクトに参加させて頂いておりました。
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受付です。オレンジとホワイトのコントラストが美しいです。患者さんの使いやすい高さもこだわったとのこと。


Q)日本に帰ってこられて、木場公園クリニックに勤務され、そして、今回、京野クリニックに勤務されたという経緯を教えてください。

日本に戻ってくるにあたり、お世話になったのが京都大学名誉教授の森 崇英先生です。森先生のご紹介で木場公園クリニックに勤務することになりました。その理由は院内に生殖医療リサーチセンターを作るので、そこで研究をしながら臨床に関わりたいと思ったからです。

しかし、木場公園クリニックはご存知の通り、患者さんに大人気の施設なので、患者さんの数が急速に増えたことで研究がままならなくなってしまったこと、最先端の生殖医療を進めていくにはその研究の部分は不可欠だと思う自分がいたので、今回、京野先生のクリニック設立にあたり、立候補してその思いを伝えたところ、理事長から是非ということで賛同して頂いた次第です。
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自動支払い機です。 これを見たのは神谷レディースクリニック以来です。


よって、臨床と研究とのバランスを取り、よりよい医療を提供するためにここにやってきました。良いものはどんどん取り入れる、そういう姿勢で取り組みたいし、チャレンジできる自分の今の立場にワクワクしています。

Q)竹内先生の治療方針について教えてください。

今までがとても忙しすぎたので、患者さんとのコミュニケーションがうまく取れなかったというジレンマがありました。よって、ここではその部分に力を入れていきたいと思っております。

また、不妊治療における様々なニーズに対応できるように最新の技術を取り入れています。男性不妊においてはMD-TESE専用の手術室も準備し、泌尿器科の専門医2名に外来を担当して頂いております。PCOの患者さんにおいてはIVMによる卵子の成熟培養、また、卵管閉塞の患者さんへのFTと的確に対応出来るようにしております。
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院長の竹内 巧先生です。優しそうな雰囲気が印象的です。


もちろん当院はART(高度生殖医療)を専門にしている訳ですが、そこに特化しているのではなく、的確に治療を進めていく体制を整えております。

●用語解説
MD-TESE:顕微鏡下精巣内精子採取術 
顕微鏡を用いて精巣内を観察し、状態の良い精細管を選んで採取する方法。

PCO:多嚢胞性卵巣といい、若い女性の排卵障害の原因の中でも代表的な疾患。卵巣の皮が厚くなり卵胞が小さい状態で多数認められるのですがそれ以上には大きくならずに排卵が起こりにくいのが特徴的な症状。

IVM:まだ成長過程の卵子を早めに採卵し、体外で成熟させる方法。

Q)どんなクリニックにしたいと思っていますか?

不妊治療における最後の砦としての位置づけをしてもらえるようなクリニックにしたいです。その基本になるのは患者さん第一主義です。

スタッフはそれぞれの分野でのプロフェッショナルを担当し、また育成していきます。患者さんが大事だから、スタッフも大事にします。院内においては教育、臨床、研究をバランスよく実施し、不妊治療をより高いレベルで提供できる体制にしたいと思っております。

また、そういうことにポジティブなやる気のあるスタッフを募集しています。勉強熱心で患者さん思いで、研究が好きな方がおられたら是非、当院の門を叩いてほしいなと思います。

Q)患者さんとして気になるのは治療費だと思うのですが、どのようになっているのでしょうか?

当院の治療費は仙台も高輪も同じ費用にしております。WEBサイトをご覧頂ければ分かるとおり、極めて中庸の費用になっておりますし、分かりやすい料金体系になっています。