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P4 第2話/整理の鬼 水之江忠臣のデザイン

【石川尚の実況ナマ中継!『ザ・仕事の現場』Part4】 昭和のインテリアデザイン界を生き抜いた諸先輩方のドローイングを探るお話。今回は水之江忠臣氏。取材協力:社)日本インテリアデザイナー協会

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

■ 石川尚の実況ナマ中継!『ザ・仕事の現場』Part4 

社団法人日本インテリアデザイナー協会が、今年創立50周年を迎え「原点」こころのデザインをメインテーマに記念事業を開催しています。
数ある記念事業の中でも今秋開催の展覧会と記念出版は特別なものになると思います。というのも、「展覧会」では、日本におけるインテリアデザイン創成期、インテリアデザイン界をリードしてきた先人たちが時代へのメッセージを直接描いたドローイング(スケッチ・パース・図面など)展を、「記念出版」ではそのドローイングも含め、1950年代後半から現在に至る迄のデザインの50年史と身近なったデザインこれからを探るという大変貴重な内容を企画しているからです。
昨年から企画を詰め、協賛金を募り、秋の開催・販売の向けてこれから佳境に入ってゆく事業は大変かつ膨大な作業。
縁あって、この企画に参画している筆者にとっても、貴重な体験になると確信しています。
そこで今回は、昭和のインテリアデザイン界を生き抜いた先人デザイナーのドローイング(作図)を探るお話。
すでに他界された7名、ご高齢にも関わらず現役の3名のデザイナーを含め、昭和のインテリアデザイン界を生きたデザイナー10名のドローイングを探る取材風景を実況中継する予定です!


日本の椅子の超ロングセラーの逸品「ダイニングチェア」をデザインした水之江忠臣

■月●▲日

「次男の卓さんに立ち会ってもらえるように手配できましたから伺いましょう!」
編集者Kさんから嬉しい連絡が入った。
早速、展覧会委員Hさんとhさんと待合せのO駅で合流し、地図を広げながら目的地へと向かう。現地ではKさんとKさんのご主人(同志者)と落ち合い、水之江さんのマンションへ。

玄関の呼鈴に出ていただいたは。水之江忠臣氏次男:卓氏。
「とても見せられる状態の部屋ではありませんが、ま、どうぞ」
その朴訥としたお人柄に、一安心。
お住まいの中に入って初めてわかったのだが、ここは卓氏の母親、つまり水之江忠臣夫人:水之江陽子様のお住まいだった。つい2ヶ月前に他界されお部屋は今整理まっただ中のお部屋そのままになっているとのこと。

卓氏によるお母様の訃報に思わず声をつまらせるKさん。

『私は何がどこにあるのか?わかりません。母と親交のあったKさんが、いらっしゃるので何とかなると。』
「本当に数ヶ月前までお元気なお母様でしたのに。。。とても残念ですが、本の取材で何度かお邪魔した時、水之江氏のスケッチや図面を見せていただいたのでどこかにあると思います。」

なかなか、お目当ての品物が発見できず、悪戦苦闘の左からKさんのご主人、Kさん、そして卓氏。


イームズが、ヴェグナーの直筆が、、写真が、、、

まるで海女さんのように資料の中に潜り込むKさん。
「いやぁ、、すごい本があるぅ、この本大変貴重ですよー!」
「わぁ~、こんなにお手紙が、、この写真に写ってる方、誰ですか?」

「この手紙と名刺、、イ、イームズじゃぁないですか!」
(写真をクリックすると、貴重なレイ・イームズの名刺や直筆のカード部分が拡大されます。)

「これ、チャールズ・イームズ本人でしょう!ここに立っている方が水之江氏ですね。」
卓氏がうなずく。
水之江氏のダイニングチェアに腰掛けたチャールズ・イームズ。水之江氏と何やら真剣な眼差し。

この写真は、水之江氏、長大作氏、松村勝男氏が参画し1955年に完成した建築プロジェクト:国際文化会館の一室。水之江氏のダイングチェアがズラリと並んでいる。当時米国家具メーカー:ハーマン・ミラー社デザインコンサルタントのイームズ氏、後に同社相談役になる水之江氏、その後の展開に影響する会話がなされているのか………なんともうらやましい光景の写真に、皆さん驚愕の声。
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