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私立高校の生き残りをかけた補習授業の裏側(3ページ目)

大学の45%が定員の1倍を切る状況だが、学生を送り出す側の高校にもすでに淘汰の嵐が吹き荒れている。高校での現状をレポートしたい。

吉田 敦彦

執筆者:吉田 敦彦

学習・受験ガイド

ある私立高校での補習授業の場合

今までクラブ活動や運動競技で魅力的な人間教育をしてきた伝統のある私立高校が愛知県にある。ただ大学への進学率がそれほど芳しくなく、平成24年度から特進コースが初めて設置された。その高校の補習授業を現在私が担当している。

これから高校の授業改革を考えておられる学校関係者や先生方、高校進学を考えられている親御さんにも参考になるだろうと思うので、その改革の手法の一端を簡単に説明しよう。
  • ゼロ時限授業の効果的利用
  • 習熟度テストによる理解度調査
  • 合宿による全体の学力の底上げ
  • 1人の教師が3年間一貫して指導する
クラブ活動が活発である高校の場合、なかなか放課後の補習はやりにくいものだ。そこでゼロ時限の授業(一時間目の授業前に行う)で特に基礎学力の底上げを狙う。

教師が教えてわかっただろうと思っても意外に生徒はわかっていないことが多い。そこで必ず習熟度テストを出来るだけ行いその次の授業に生かすようにする。

日頃あまり出来ない副教科などは毎週するよりはまとめて合宿形式でやるのが効果が高い。また出来ない生徒を放置せず全体的な学力の底上げができる。

1人の教師が一年生から3年間教えることで全責任を担うことにある。その教科に対する責任関係が明確になり、成果を測りやすい。もちろん合格不合格の結果の全責任を担うこととなる。

このような進学指導をするにも現場の先生方との密接な意思疎通なしには行えない。また日頃の授業を無視した単なる塾化した学校になっても学生の精神と肉体のバランスの取れた教育とも言えないだろう。

やはり基本は毎日の正規の授業であり、日々のクラブ活動である。そこから発展させた受験指導こそ今一番求められているようだ。
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