金持ちはなぜローンで住宅を買うのか?
普通の人はローンの金利はもったいないと感じるので、なるべく多くの頭金を入れて家を買おうとします。また、借金している状態が気持ち悪いので、お金が貯まれば繰り上げ返済を多用します。しかし、私の知人で資産が数十億円を持っている経営者は「必ずローンで買う」と言います。なぜかというと、たとえば35年固定のローン金利は1.5-3%でも、彼は自分のお金は年利15%以上で運用できるからです。つまり彼は、15%以上で運用できる自分のお金をわざわざ取り崩して、お金を生まない家を全額キャッシュで買うようなバカなことはしないということです。
こんな話を聞くと、やはりお金を持っていることと、お金をうまく使うこととは別物であるということがわかります。もちろん「家はローンで買え」と言うわけではなく、1.5-3%以上で運用することができない人は、現金一括払いをして、その金利支払いを逃れる方が得策です。
しかしビジネスや投資で高い利回りを叩き出せる人なら、家などに回す自己資金は極力小さい方が圧倒的に資金効率がいいということです。もちろん、本当の富裕層はキャッシュで買いますが、これは参考にはならないですね。反対に、本当に貧乏な人はお金がないので、仕方なくローンで買います。こういう人は資金を運用することもできないので、ただ高い金利を払わされ、お金を失うだけに終わってしまうということです。
さらに投資用不動産もローンを組んで買います。ローンの返済は家賃収入で補えるので、必要なのは頭金だけ。それでも、家賃からローンや経費を引いた残りは自分の利益だし、ローンを完済すれば、いくらで売却してもお金が手元に残りますから、銀行という他人のお金を使って貯金を増やしているようなものです。
ある資産家曰く、「お金を増やすのに自分のお金を使うなんてもったいない。自分のお金は使わず、他人のお金を使って増やすのが資産運用だ」だそうです。