第8位 ちいさなもみのき
もみの木の小さなこぼれ種が風に飛ばされて、森から離れた野原で芽を出しました。クリスマスも近いある日、もみの木は足が悪くて寝たきりの男の子の部屋に運ばれます。木を運んだのは、少年の父親でした。父親には心からの願いが1つあり、もみの木にこう語りかけました。
こうしてもみの木は、毎年クリスマスが近づくと男の子のもとに運ばれ、クリスマスツリーとなって男の子を元気づけるのでした。ところがある冬のこと、いつもやって来る少年の父親が、クリスマスになっても姿を見せませんでした。悲しむもみの木に、奇跡としか思えない素晴らしい出来事が起こります……まいとし、ふゆには、おいわいをしに やってきて、
はるには、もとの みどりののはらへ、かえって いくんだよ。
ここまで やってこられない、わたしのむすこといっしょに、おおきくなっておくれ。
あのこが げんきになるように、ちからになっておくれ。
瀬田貞二さんが、「絵本の座付き作者」と評したマーガレット・ワイズ・ブラウンが、もみの木と父と子の重なる願いを静かに語り、胸を打ちます。クリスマスの時期だけでなく、いつも身近に置いて読みたい名作です。
【書籍DATA】
マーガレット・ワイズ・ブラウン:作 バーバラ・クーニー:絵
かみじょうゆみこ:訳
価格:1155円
出版社:福音館書店
推奨年齢: 4歳くらいから
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