「高画質」でかつ「気軽に持ち歩ける」のがコンセプト
PowerShot S100では「なんでもできる高画質コンパクト」であった製品としてのコンセプトが、PowerShot S110になると「持ち歩ける大きさでの高品位でかつ、高画質コンパクト」に変質したということがいえるでしょう。最初に挙げたPowerShot G1Xをはじめとした昨今の「高画質コンパクト」はかなり大柄です。比較的に小柄なDSC-RX100ですら厚さは35.9mm。どれもポケットに入れておく……というにはちょっと辛いところです。
ところがPowerShot S110は厚さ26.9mm。DSC-RX100からは完全に一回り小さく、IXY430からはわずかに大きいといったところです。充分にポケットやセカンドバッグに入れて持ち歩けるサイズといえるでしょう。
前述したようにPowerShot S110の立ち位置は「高画質コンパクト」としては微妙なものとなっていますが、それでも絶対的な画質としてみたときは充分なものがあります。いわば「気軽な高画質コンパクトデジタルカメラ」として、その立ち位置を新たにしたともいえます。
実際に撮影してみても他のコンパクトデジタルカメラに比べたときに、画質について安心感がありました。
実際のISO1600の画像から切り出し。そこそこ使えるといった印象です。
また、絶対的な画質を見てみてもISO200~400前後の低感度ではかなりのクオリティです。
撮像素子がさほど大きくはないので一般的な撮影ではボケ味はさほど期待できません。それでも開放のF2.0でかつ3cmまで寄れるマクロ撮影であればかなりのボケ具合を味わうことができます。
最後にPowerShot S110が搭載している多彩な機能をチェックしてみましょう。