より高品位になった見た目
まず、ぱっと見で大きく異なるのはフロント部のグリップの有無です。PowerShot S100でグリップが追加されたのですが、PowerShot S110では元のフラットな加工に戻されています。その理由は……察してください。非常にクールな印象になっていると感じました。ただし、Cyber-Shot DSC-RX100のように滑らかな処理がされているわけではなく、表面には梨地加工が施されているのでグリップには余裕があります。重量が軽めなこともあって、DSC-RX100のように「いつ落とすかヒヤヒヤとする」ようなことはありませんでした。
また、S100では搭載されていたGPSも省かれています。正直なところ、S100にGPSと聞いたときは筆者の頭の上に疑問符が3つほど浮かんだものですが、これも……察してください。
Wi-Fiによるスマートフォンとの連携はもう欠かせない機能
その代わりにWi-Fi機能が搭載されました。以前のIXY 1等ではAndroidケータイとアドホック通信をすることはできませんでしたが、PowerShot S110ではAndroid、iOSともに可能となっています。筆者も自分のAndroidタブレットで動作を確認しましたが、これは便利です。ほとんどのスマートフォンのカメラ機能というものは「記録できる」以上のものはないのですが、PowerShot S110とスマートフォンを併用することで相当に高画質な画像を添付してのつぶやきができるわけです。
筆者は個人的にミラーレスカメラとスマートフォンをBluetoothで接続して画像をアップしていたりするのですが、ほとんどのシーンでスマートフォンのカメラ機能を使うことはなくなりました。実際にこの機能を使うともはやスマートフォンのカメラには戻れないほどです。
また、GPS機能自体は削除されていますが、スマートフォンとWi-Fiで通信することによってスマートフォン側の持っているGPSの位置情報を画像に追加することはできます。たとえば旅行中にどうしても位置情報を付与しておきたいという場合にはこの機能も使えなくはないということでしょう。
このように前機種であるPowerShot S100からのスペックの違いを見ていくと、PowerShot S110のコンセプトが見えてきます。
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