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投資では分散するほどリターンは増える

お金持ちが投資で成功できるのは、投資金額が大きくたくさんの銘柄に投資できるからです。たくさんの銘柄に投資して確実にもうける手法を分散投資といいます。普通の人にもできる分散投資、それが投資信託を使った国際分散投資です。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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投資の教科書には、投資先を分散することでリスクが下がるということが書かれています。では、どのくらい投資先を広げれば分散した効果があるのでしょうか?

有効な分散は銘柄リスクを消す

投資する銘柄数を増やせば増やすほどに、リスクは減るのですが、それが20銘柄を越えた当たりから、明らかなリスク低減が見て取れます。たった1銘柄に投資する集中投資の場合には、投資家はめいっぱいの個別銘柄リスクを保有しています。それを20~30銘柄に増やすと、分散投資の効果が効いてきます。個別銘柄リスクが薄められるのです。個別銘柄リスクとは、東電の原発事故、大王製紙の創業家の背任行為、オリンパスの巨額の損失隠しなどに見られる、投資家には予想し得ない突然の株価暴落の可能性です。

しかし、こうした分散効果というのは、計算によって分かる話なので、数字に明るくない普通の人には、今ひとつ見えにくいところがあります。もっと直感的に分散の良さが分かる説明がないかな~と思っていましたら、面白いシュミレーションの結果が手に入ったので、記事にさせていただきました。

ランダムに10銘柄に投資した結果

分散の効果を測った実験の前提はこうなっています。東証一部上場の1682銘柄に100人の投資家が1人10銘柄ずつ分散投資したと仮定します。1銘柄当たりの投資額はすべて同じ金額です。どの銘柄を選ぶかはまったくアットランダムに行われます。いわゆる、サルが新聞の株価欄にダーツを投げて、当たった銘柄に投資するような選択です。興味がそそられるその結果は以下のようになりました。

黒字を確保した人の数で比べてみましょう。2009年は79人(100人中)、2010年は68人、2011年は16人、そして2012年は77人だったというのです。以上は、1682銘柄から10銘柄を選んだ場合です。

ランダムに100銘柄に投資したらどう変わる?

では、まったく同じ条件で100銘柄に投資したら、この勝者の人数はどう変化したと思いますか?10倍の分散によって、その結果がどんな影響を受けたかに興味があります。2009年は99人、2010年は97人、2011年は0人!、2012年が「ほぼ全員」という結果です。

※100銘柄に投資した2011年については「大半が損失」という表現でしたが、実数が不明なためここでは「0人」と表記しました。不正確ですがご了承ください。

相場全体が上昇したときには、銘柄数を増やした方が確実に勝者を増やしました。

2009年:79→99
2010年:68→97
2012年:77→100

逆に相場下落した2011年には、16人いた勝者がほとんど消えてしまいました。分散するということは、市場の流れに従う結果が出るということなのです。

※このシュミレーションは日本経済研究センター主任研究員の前田昌孝さんが、日本経済新聞電子版に2012年11月21日発表したものです。

投資における個別銘柄リスクとマーケットリスク

分散投資をすると、銘柄の個別要因を消し去り、市場の平均的な収益率に近付くということが、ここではっきりと確認できたと思います。ただし、個別のリスクを最小化しても、投資家が負っているリスクはゼロになりません。いくら分散を徹底しても、投資家がマーケットのリスクから解放されることはありません。個別銘柄リスクがゼロになっても投資家に残るリスクを「システマティック・リスク」といいます。それこそが、リターンの源泉であり、投資家が正対しなければならない、マーケットリスクなのです。

昔は、個別銘柄リスクを避けてシステマティック・リスクだけを負うことは大金持ちだけの戦略でした。今は、それを誰でもができるのは、投資信託というツールのおかげなのです。個別銘柄リスクから解放されて、大きなリターンを目指す国際分散投資は、だれにでも使える普遍的な資産運用の方法です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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