子供の教育/習い事

子どもが一芸を身につけるための適した方法とは(2ページ目)

お子さんにせっかく習い事をさせるなら、一生楽しめる趣味としてそれなりの腕前にしたいもの。子どもの習い事を高いレベルに持ち上げるには「やる気の出る目標を持ち」「良い仲間を作って」「適切な練習をする」ことが大切です。

高橋 公英

執筆者:高橋 公英

学習・受験ガイド

よく考えられた練習の条件とは

次に、よく考えられた練習の条件とは次のようなものです。
  • その人のレベルを向上させるための最適な難易度の課題設定
  • 練習の結果がフィードバックされ(良し悪しが明確)自分で良し悪しを判断できる
  • 本人が自発的に取り組んでいる。

現在の実力よりも少し高いハードルを設定して練習に取り組みます。筋力トレーニングなら少しウエイトを上げる、音楽なら少し難しい課題曲に挑戦するなど。現状で楽々こなせる課題を何度繰り返しても、あまり効果が得られないということ。

そして勝負に負ける、目標回数に届く、曲が弾けるなど自分で結果の判断ができる練習が良い練習です。人に指摘されないとわからないような課題では、自分で納得が得られないので効果が薄いのでしょう。

加えて、なによりも自分が好きでやっているのであり、やらされているのではないということが重要です。子どもの場合は最初は親がやらせるわけですが、楽しくなければ続きません。初めは誰かに促されたにしても、やっている内に好きになったものでなければ上達は望めません。

アマチュアオーケストラ

良い仲間がいると励みになる

最後の良いコミュニティがあるというのは、自分と同じような仲間がいて、刺激し合い切磋琢磨できる環境がより望ましいわけです。クラブに入る、サークルに入る、道場に入門するなど。たった一人で独力でギターを学んだという人が稀にいますが、それでも誰か聴いてくれる人がいたりしたはずです。

私の子どものピアノ教室では、常に今弾いている曲よりも次の課題曲が少し難しく、同年代の仲間が同じ教室にいて、本人が好きだったことで、この3条件に合致していました。そのために始めてから10年後には先生に音楽大学受験を勧められるくらいの実力がつきました。結局は専門の道に進みませんでしたが、今でも趣味としてショパンやモーツァルトの小品はいつでも弾ける技術は維持しています。

専門家によれば、どんな分野でも、また誰でも熟達者になることができるそうです。一流になれるかどうかはまた別ですが、一流の人で良い練習を欠かした人はいません。昔から一つのことは10年やれば一人前になれると言っていたのはこのことだったのです。

子どもに何かひとつでいいから、一生涯楽しめる趣味の分野を授けてやれたら素敵ではないでしょうか。
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