ボーナス直後、エントリーが激増する
今年のボーナス、期待できる?
給料のベースアップに期待がもてない時代です。また、会社が年俸制にシフトしたことで、給料がむしろ下がってしまった人も少なくありません。そうした背景の中、夏冬に支払われるボーナスは給料の一部であると考える人は、さらに増えていくことでしょう。このため、ボーナスをもらった直後に退職届を出すことに対して、一種のうしろめたさを感じる人の数も、最近は減少していているのではないでしょうか。
待遇の改善を求める人が増える
転職理由で一番多いのが「待遇改善」
この三つの転職理由の中でも、待遇に対する不満を訴える人が一番多いのではないでしょうか。特に、全国的にボーナスの支給がされる6月と12月の直後に転職活動を始める人の場合、待遇に対する不満を訴える人の割合が上昇しているのではないかという仮説を私は持っています。
長年、採用の現場でビジネスパーソンの転職に向き合ってきた経験から、「仕事内容・人間関係・待遇」の充実がいかに大切であるか、疑う余地はありません。しかし、何により重点を置いているか、その点ではかなり個人差があるようです。では、ボーナス直後に転職活動を始める人の中に待遇面の充実を志向する人の割合が増えるとしたら、それは具体的にどのような影響を転職市場全体にもたらすのでしょうか。
人件費が上昇したしわ寄せはどこに出る?
内定が出ても給料ダウン?!
採用の数が少なければそれほど意識せずとも、何とか予算的にも誤差の範囲とも言えるのでしょうが、予算オーバーで採用しなければならない人が複数発生することになれば、全体の帳尻を合わせることの難易度が高まります。
転職先の給料が決まる場合、主に本人の現職の給料や業界水準が考慮されますが、最近増えているのは、現職の給料が考慮されないケースです。つまり、会社の予算は〇〇〇万円だから、その上限でオファーするというわけですが、それが候補者の方の現職の給料レベルを下回ることが決して少なくありません。これでは最後の局面で話がまとまらなくなってしまいます。
転職活動をするタイミングは慎重に選ぼう
転職活動は慎重に
転職活動において世の中の多くの求職者と同じような動き方をすれば、どうしてもこのような一つのトレンドに巻き込まれていきますので、もしそれを避けたいと思うならば、たとえばボーナス直後の転職活動は、いったん数ヶ月間は見合わせるというのも、一つの考え方かもしれません。転職したい事情やタイミングは人それぞれ違いますが、転職市場にもそれなりに季節性があることを認識して頂き、自分独自の戦略をもって積極的に活動してみてください。より詳しい状況を確認したい方は、専門家のアドバイスを受けるなど、しっかりと情報収集をして転職活動に臨むことをお勧めします。