任天堂やお店の予想よりも遥かにダウンロード版が売れた
売れ残りのリスクがないこともあり、コンビニエンスストアなど販売場所も大きく広がっています。
これまで発売されたタイトルのダウンロード版とパッケージ版の比率を見た上で、多めに仕入れておけば機会損失をすることが無くなります。今回のどうぶつの森の出荷はパッケージ版約60万本に、ダウンロード版約20万本。Wiiで発売された前作の「街へいこうよ どうぶつの森」は初週約30万本。累計500万本以上の大ヒットとなったニンテンドーDS版の「おいでよ どうぶつの森」も初週約30万本。その実績から考えればパッケージ版とダウンロード版あわせて80万本が消えて無くなるなんて普通は想定しませんし、それこそダウンロード版だけで20万本も売れるとは考えないでしょう。全体80万本の内4分の1がダウンロード版というだけでも、かなり多めに仕入れている数字です。
お店からすれば、これまで売れていたパッケージ版の25%がダウンロードに流れていくという現象が起きてるとすれば、今後パッケージの仕入れについて少し考え方を改めなければいけない、というぐらいの数字です。
毎日ちょっとずつ1年中じっくり遊ぶゲーム
くだものとって、お花に水やりながら雑草とりが日課で、後は気分で住人とお話したり、魚釣りしてみたり、なんていう遊び方ができるゲームです
それは、任天堂がダウンロード版に対する価値の置き方にポイントがあります。というのも任天堂が何度も説明していたのは、毎日ちょっとずつやって、ずっと手元に置いておくタイトルはダウンロード版がいい、ということでした。他に遊んでいるソフトととっかえひっかえせずとも、つねにソフトを持ち歩かなくとも、3DSの中にインストールしてしまえば、いつでもどこでもちょっと時間が空いた時に気軽に遊べると、こういうわけです。
どうぶつの森はまさにそれで、1日30分ぐらいのプレイでも十分満足できて、でも毎日毎日少しずつ変化があり、さらには冬になれば雪がつもって、春にはサクラが咲き、夏になればカブトムシがとれ、1年中季節にあわせて様々な変化やイベントがある、まさに毎日ちょっとずつ1年じっくり楽しめるゲームです。ここにユーザーが大きく反応したと考えられます。
任天堂の提案がうまくユーザーの心を掴んだ形になったわけですが、ここで強調しておきたいのは、価格を下げて販売せずに、ダウンロード版の価値づくりをしたという点です。