ビタミンDの特徴とはたらき

ビタミンD

様々なはたらきを持つビタミンD。生成に日光が必要なため、別名「サンシャインビタミン」とも呼ばれています


ビタミンDは、水に溶けず脂に溶ける脂溶性ビタミンです。大きく植物由来のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と、動物由来のビタミンD3(コレカルシフェロール)に分けられ、ビタミンD3は紫外線によって皮膚に含まれるコレステロールから作られます。つまり、紫外線不足、日光不足でビタミンDが不足しがちになり、その生成方法から別名「サンシャインビタミン」とも呼ばれています。

このビタミンD2とD3は共に、腎臓で活性化ビタミンDとなり、体に様々な働きを示します。なお、ビタミンの量はIUで示され、40 IU = 1μgとなります。

ビタミンDについては、さまざまなはたらきが報告されています。
 
骨

骨の形成でよく知られるビタミンD。骨以外にも、様々な働きが報告されている

■ビタミンDのはたらき
  • カルシウムとリンを調節し、骨を強化
  • 筋肉の収縮作用を調整し、筋肉を強化
  • インフルエンザ予防
  • がん(特に乳がん、腸がん)
  • 糖尿病
  • 肥満・メタボリック症候群
  • リウマチなどの自己免疫疾患
  • パーキンソン病、うつ、アルツハイマー病、統合失調症、中枢神経腫瘍などの精神・神経疾患
  • 慢性腎臓病
  • 死亡率の低下(長寿効果)
  • 薄毛
  • 花粉症、ぜんそく、アトピーなどのアレルギー
などに有効と報告されています。上記のなかでも特にアレルギー関連について解説していきましょう。
 

ビタミンDはアレルギー予防にも有効かどうか

ビタミンDはアレルギーに対しても有用という報告がなされている

ビタミンDはアレルギーに対しても有用という報告がなされている

理論的には、ビタミンDのアレルギーに対する効果が期待されているものの、実際に効果についての報告は様々です。

今までのビタミンDと喘息の子どもの報告をまとめた論文によると、喘息の子どもでは喘息でない子どもに比べてビタミンDが減っているものの、呼吸機能などについて報告によって様々だったと報告しております。(Jat KR 他:Lung India. 2017 34:355-363)
成人でも、血液中のビタミンD濃度が高いと、呼吸機能がよいと報告されています(Liu J 他:Respir Res. 2019 :20(1):161)。

アレルギーとビタミンDとの報告をまとめた論文によると(Yepes-Nuñez JJ 他. Allergy. 2017 Jul 4. doi: 10.1111/all.13241)、 ビタミンDについては、効果がないとのと報告もありますので、その判断は難しいところです。

妊娠時のビタミンDについては、子どもの湿疹やアレルギー性鼻炎、食物アレルギーでは効果がなく、喘鳴においてリスクを下げると報告されています。授乳期や乳幼児でのビタミンDの効果はないと報告しております。

ビタミンDを補給すると、喘息の悪化が減ると報告されています(Jolliffe DA 他:Lancet Respir Med. 2017 :881-890)。

海外では、牧草の花粉症の子どもにビタミンDを投与すると、症状の改善と治療薬を減らすことができたとの報告(Jerzyńska J 他:Arch Med Sci. 2018 :122-131)もあります。

つまり、いろんな報告があって、その効果については検討していく必要があります。
 

アトピー(アトピー性皮膚炎)についての効果

ビタミンD軟膏は、皮膚の表皮細胞の増殖を抑える作用があり、角質が増えている角化症や、皮膚の乾燥がひどく魚のうろこのような魚鱗癬で使用されています。

他、ビタミンDの摂取は皮膚の殺菌効果を高め、皮膚のバリア機能を高めます。

ビタミンD1600 IU/日で補充すると、アトピー性皮膚炎の重症度が臨床的に下がることが報告されています(Hattangdi-Haridas SR 他:Nutrients. 2019 11(8): E1854)。

このような働きがあるといわれているビタミンD。私たちは実際、足りているのでしょうか?
 

現代人に不足するビタミンD

株式会社SOUKENが行った血液中のビタミンDを測定した結果(関東在住 20歳~69歳までの男女合わせて100人 2012年9月実施)があります。

9月は比較的日の当たる時間が長いのですが、血液中のビタミンDが不足している人は全体の半数に。どの年代も不足気味で、特に女性の4人に1人は欠乏状態というショッキングな結果が出ています(下図参照)。
2012年9月、株式会社SOUKENが血中ビタミンD濃度を調査(必要十分と考えられる血中ビタミンD濃度は30ng/mL)。女性は約3人に2人が不足状態、4人に1人は欠乏状態という結果が判明した

2012年9月、株式会社SOUKENが血中ビタミンD濃度を調査(必要十分と考えられる血中ビタミンD濃度は30ng/mL)。女性は約3人に2人が不足状態、4人に1人は欠乏状態という結果が判明した


なかでも、日の当たる時間の短い内勤の人でビタミンD不足が多くみられ、衣服などによる肌の露出が少ない場合、73%もの人がビタミンD不足でした。これからの冬は日照時間が短く、防寒のため厚着になり肌の露出が少ないため、ビタミンD不足に拍車がかかります。

さらに、食生活の変化もビタミンD不足になりがちな要因の一つです。魚やキノコを食べているでしょうか? これらにはビタミンDが多く含まれています。
 

ビタミンD不足の解消法・2つのポイント

ビタミンD

食品に含まれるビタミンDです(文部科学省 五訂日本食品標準成分表より再計算)

ビタミンD不足を解消するためには、2つのポイントがあります。

1つめは、日光。天気のいい日にはできる限り、散歩など屋外に出るようにしましょう。ただし、紫外線を多く浴びると皮膚炎、日焼け、しみ、皮膚がんの原因になります。UVケアをしながら、子どもなら屋外で元気に遊び、大人ならスポーツなどもいいでしょう。衣服よりもUVケアの方が、血液中のビタミンDへの影響は受けにくくなります。

2つめは、積極的なビタミンDの摂取。主にサケやサンマなどの魚、シメジなどのキノコ、卵に含まれています。和食の食材が多いですね。

日本で厚生労働省が推奨している量は
  • 乳幼児 100 IU
  • 小児 140~180 IU
  • 成人 200 IU
ですが、アメリカ政府が推奨している量は
  • 1~70歳  600 IU
  • 70歳以上 800 IU
  • 上限 4000 IU
です。

ガン予防効果のある量は、1日成人4000 IU、子ども2000 IUといわれており、日本の推奨量では少ないことになります。

特にこれからの季節、日照時間が短く厚着になるので、紫外線によるビタミンDは不足気味に。その分、より多くのビタミンDを摂取する必要があります。食材のみで摂ることが難しい場合、望ましいとされている1日1000IUを目安に、市販サプリメントで摂取してみても良いでしょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項