長期優良住宅/長く暮らせる家

すっきり収納への第一歩は考え方の転換

「家の中が片付かない」というのは多くの人が抱える悩みです。そのためか、家を建てる時に、収納はたくさんあったほうがいいと考えがちです。でも、それは正しい考え方でしょうか? 収納を増やす前に、収納についての考え方を変えてみましょう。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

片付け下手を自認するガイドですが、なかなか片付かないわが家に満足しているわけではなく、もう少しすっきりと暮らしたいと考えています。収納スペースがもっと欲しいと思いながら、雑然とした部屋でため息をついてしまうことも。私と同じように感じているという人も多いのではないでしょうか。そこで、収納についての考え方を大きく変えることを提案したいと思います。なかなか片付かないと思っている人におすすめです。

必要な収納量の目安はどのくらい?

本棚

たくさんの収納スペースがあれば部屋は片付くのでしょうか

突然ですが、皆さんは「収納率」という言葉をご存知ですか? 住宅の床面積に対する収納面積の割合のことです。収納率の数値が大きくなればなるほど、収納が多いということになります。算出するときは、一般的にクロゼットや押入れなど、高さが180センチメートル以上ある収納を対象として計算しますので、デッドスペースを利用した小さな収納などは含まれません。

では、一軒の家にはどの程度の収納容量があればよいのでしょうか。これを「収納率」で表すと、一戸建てでは12~15%(マンションでは8%程度)が望ましいとされています。

意外に多い? わが家の収納スペース

収納率12~15%とは、どのくらいのなのでしょうか?

住宅建築費は減少しているのにローン負担は増大!?で紹介した社団法人住宅生産団体連合会の「戸建注文住宅の顧客実態調査(2010年度)」によると、一戸建ての平均延床面積は131平米(39.63坪)。この数値をもとに計算すると、収納率12%は約15.72平米(約4.76坪)、15%は約19.65平米(約5.94坪)になります。

一見、たいしたことのない広さに思えますが、約15.72平米(約4.76坪)は9.52畳に、約19.65平米(約5.94坪)は11.88畳に相当します。

いかがですか? 10畳前後の部屋がまるまる収納に当てられるとすると、意外に広いスペースが収納に使われていると感じるのではないでしょうか。しかも、ここには本棚や収納棚などの家具は含まれていませんから、実感しているよりも実際の収納スペースは多いはずなのです。

こんなに収納のためのスペースは確保されているのに、それでも、室内にしまいきれないものがあふれ、片付かないと思う人も多いのでは? ガイドも同感です。どうすればいいのでしょうか。

次ページでは、その理由について考えていきましょう。

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