いんげん豆は、これからが旬
流通されているいんげん豆の中で主流の金時豆。
いんげん豆は、夏に花が咲き、秋に細長いさやをつけ、秋に種子が完熟した後乾燥させて今頃から新物が出回ります。いんげんというと、私たちは、未熟なさやいんげんを野菜として食べ慣れ親しんでいますが、いんげん豆は成熟した種子を食べます(さやいんげんとは品種が異なります)。
いんげん豆は、いくつか種類があり、表情が個性的です。種皮の色により、大きく白色系と着色系とに分かれます。白色系は「白いんげん」と呼ばれ、代表的なものに「大福豆」、「手亡(てぼう)」、「白金時豆」などがあります。着色系の代表的なものは「金時豆」で大きな小豆のようで赤紫色をしています。他に斑紋入りの「うずらまめ」や「虎豆」などがあります。
「白花豆」や「紫花豆」などの品種がある「べにばないんげん」は、同じインゲン属ですが別種。「いんげん豆」とまとめて「いんげん」と呼ばれることがあります。
大豆とは異なり、糖質が多く脂質が少なめ
大豆、落花生以外の、いんげん豆や小豆、空豆、豌豆などの豆類は、総称して雑豆と呼ばれます。雑豆は、糖質を主体とし、タンパク質は多く、脂質をほとんど含みません。「低脂肪・高たんぱく」な食品です。一方大豆や落花生は、炭水化物(糖質)が少なく、タンパク質や脂質も雑豆より多く含んでいますから、ひとくくりに豆と言っても栄養面では異なる顔があるのです。いんげん豆は糖質が多いことから、麦や米の代用として味噌が開発されるなど、いろいろな可能性が広がっているようです。
また豆類全般の特徴としていえることですが、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6等のビタミンB群、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等のミネラル類、食物繊維を豊富に含んでいます。
ごはんと合わせて食べればアミノ酸バランスもバッチリ
タンパク質は、約20種類あるアミノ酸の組み合わせで構成されていますが、体内で必要量を合成できない9種類を「必須アミノ酸」と呼びます。食品のタンパク質の栄養価は、含まれている必須アミノ酸の種類と量のバランスで決まります。というのは、9種類のうちどれか一つでも基準値に達していなければ、効率よく働かないのです。精白米にもタンパク質が含まれていますが、必須アミノ酸のリジンやスレオニンが基準値よりも少なめです。豆類には、精白米に不足するリジンやスレオニンが多く含まれていますので、ごはんに豆類を組み合わせて食べると、必須アミノ酸のバランスが向上します。