その国際分散投資で効果的に成果を出すためには、投資する資産の配分を最適化しなければなりません。
資産配分の最適化(投資する国の選び方)に必要な5つのポイントをご案内します。
経済の波を読む
2003年からの株価成長の世界的なバラツキを、株価をけん引してきた株式市場の地域名で並べれると次の通りです。いわば、世界の株価上昇率の年間トップランナーの推移です。03年日本、04年新興国、05年日本、06年欧州、07年新興国、08年(リーマンショックで該当選手無し)、09年新興国、10年新興国、11年アメリカ
なんとなく、どこの地域も悪かったような印象を持ちがちですが、数字を見れば勝つ地域、負ける地域の勢力図ははっきりと変化しています。国際分散投資においては、この勝つ地域にたくさん投資をしておけば、良い収益を上げることができるわけです。
だから、今後どの地域の経済が隆盛となり、株価が上がりそうなのかという国際的な予想をすることが最適配分を決めるカギとなります。
人口の波を知る
国際分散投資でお金を増やすためには、株価が上がらなければなりませんそのためにはその地域の経済が良くならなければなりません。ここまでは自明の理です。では、経済が成長するために何が必要でしょうか?まずは、人口です。人口が多ければ消費されるお金も増えますから、人口増加は経済の拡大につながります。
世界の消費者は2010年から15年間で18億人増えて42億人になると予想されています。そのときの世界の消費額の半分を新興国が占めるという(マッキンゼー調べ)というのですから、その新興国とはどこなのかを知っておく必要があります。
これから、消費人口が爆発的に増える地域、それはアジア、アフリカ、南アメリカです。
先進国にも拡大しつづける国はあります。現在人口が3億人のアメリカは、2025年には3億5千万人、2040人には4億人にまで増えつづけると予測されています。
政治の安定を調べる
人口が増えていても、経済的に成長しない国はあります。それは、政治が機能していないか、不公平が放置されている国家です。その意味では、民主主義的な政治が行われている公平な国だけに投資はしたいものです。独裁政権は、経済の恩恵を独り占めにすることで、経済の発展を抑制してしまいますし、民意を無視した政治は暴動により転覆させられる可能性があります。そんなことが起これば、株価どころの騒ぎではなくなって、積み上げて来た富はいっぺんに破壊されしまいます。
東南アジアが重要な投資対象として注目され始めているワケは、政治的な安定がおおいに改善されているからです。たとえば、ヴェトナムやミャンマーがその好例です。
通貨の強さを確認する
経済潜在力のある国が伸びていくためには、強い通貨が不可欠です。通貨を外国に支配されている国では、自国通貨の暴落によって経済が大きく破壊される可能性をいつも秘めています。1997年に通貨危機でつぶれたアジア諸国(韓国、インドネシア、タイ)では、欧米の金融機関からの攻撃で国の富を収奪されました。
強い通貨とは、変動相場制の中で海外からの攻撃に耐える外貨準備高を持ち、自国の政府がコントロールが効いている通貨のことです。通貨が公平に評価される環境が作られていれば、経済成長は妨げられません。
株式市場の公正さをチェックする
その国に自由で公正な株式市場が整備されていなければ、お金のある外国人が入ってきません。貧しい国に外資が入ってこなければ、経済は拡大せずに貧しいままでいることになります。いまだにインサイダー取引がまかり通っている日本や国営企業ばかりが上場している中国には、この点で完全に信頼できる株式市場とは見られていないところがあります。
証券取引委員会が厳正中立な監視をしていることが、将来性のある国であるための必要条件です。
いかがでしたか?国際分散投資を志す人は、以上の5つのポイントをおさえて、世界の情報を把握しておくことが賢明です。有望な地域や国を見つけて、そこに厚く配分することで、資産配分を最適に近づけることができます。