オーストリアの首都ウィーン。19世紀の半ばハプスブルグ家の皇帝・フランツ・ヨーゼフ1世は、街を囲んでいた城壁を取り去り、旧市街を一周するリンク通りを作りました。

ウィーン名物の路面電車が走るリンク通りには、19世紀半ばから世紀末にかけて建てられた豪勢なアパルトメントが並んでいます。そこに暮らした貴族や実業家のインテリア、テーブルセッティングを彩ったのが、中世からの伝統を受けついだウィーンの手作り工房でした。
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ウィーンを代表するホテルザッハ。ザッハトルテが生まれたホテルです。

銀座・和光で2012年11月8日(木)~19日(月)まで開催される「ウィーン・プロダクツ展」。ウィーンを代表する6ブランドの磁器、ガラス、家具、ファブリックス、銀製品などの工房・メーカーが参加し、ルネサンスからユーゲントシュテールまで各時代の華麗なテーブルコーディネートを披露します。今回はこの展示会に先立ち、ウィーン・プロダクツに認定された歴史あるメーカーの工房・ショップをご案内します。

ハスプブルグ家お抱えの名窯「アウガルテン」

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アウガルテンの磁器工房

まず訪ねたのは「アウガルテン磁器工房(Augarten/ドイツ語サイト英語あり)」。ヨーロッパではマイセンに次いで2番目に古いブランドとして知られています。マリー・アントワネットの母でハスプブルグ家の女帝マリア・テレジアは、この工房を支援し専用の磁器を焼かせました。それが今も作り続けられている「マリアテレジア」シリーズです。もみの木をシンボルとして、狩猟の館であったアウガルテン宮殿で使うために作られました。
この工房は一般の人もガイドツアーで見学でき、手作業で絵付けを行う職人たちの技を間近で見られます。ウィーンを訪れた際は、ぜひ立ち寄りたい場所です。


薄く割れにくいガラス器「ロブマイヤー」

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ロブマイヤーのショップ。まるで宮殿のようです。

次に訪れたのは王室御用達のガラス器を制作していた「J.& L.ロブマイヤー(LOBMEYR/ドイツ語サイト英語あり)」。モスリングラスとよばれる極薄のガラス器は、硬度が高く割れにくいことでも知られています。また宮殿を華麗に彩ったシャンデリアの制作でも知られ、今でもヨーロッパ各地の名城のシャンデリアを修復しています。

ここで人気なのはモダンデザインの先駆けといわれるウィーン工房で活躍した建築家・デザイナーの作品です。特にヨーゼフ・ホフマンの「パトリシアン」は、現在も多くのワイン愛好家の支持を得ています。手に持った時に全く重さを感じず、唇のあたりのやわらかさは、極薄ガラスでしか味わえない楽しみです。

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