映画監督ペドロ・アルモドバル
~オススメの作品「オール・アバウト・マイ・マザー」~
■「オール・アバウト・マイ・マザー」主なキャスト:セシリア・ロス ペネロペ・クルス
■ペドロ・アルモドバルを好きな理由:
とにかく奇才。万人には受けないけれど、偏愛されるタイプのオリジナルな映画を撮り続ける監督さんです。
この人の描く人々は、いつもまっすぐストレートではない(一般的な人々ではないという意味です)。ちょっと変態チックな要素も多く、ストーリーも難解なことが多いのですが、もうなんかわかんないけれど「参りました!」と言ってしまいそうな説得力のある映画ばかり。
同性愛をカミングアウトされているだけあって、男性でありながら彼の描く女性像が、いつも魅力的(それは女性的な男性も含めて)。
スペインという場所を舞台にしたアルモドバル独特の鮮やかな色彩と映像美も圧倒的です。唯一無二の作品を撮る監督ということで、いつも注目しています。
■数あるアルモドバル作品から「オール・アバウト・マイ・マザー」をおすすめする理由:
一番ストーリーがソフトでわかりやすいから(他作品は、もっと変態チックなので)。
アルゼンチンの名女優、セシリア・ロス扮するシングルマザーのマヌエラは大事な一人息子を事故で亡くし、喪失感のなか、長い間会っていない息子の父親を探しに旅に出る。旅を通じて彼女が出会った様々な女性を通じて、マヌエラが希望を取り戻していく……というロード・ムービー。
セシリア・ロスの凄味のある演技と、それぞれ傷つき、悩みを持つ女性たちが織りなすかなり濃い人間模様とちょっと驚くストーリー、そしていつもの色彩センスと、アルモドバル監督の集大成とも言える作品です。
アルモドバルの感性で描く、女性讃歌。こんな映画を撮る人はほかにいないだろうなぁ……やっぱりこの監督は、すごいなぁ……と、何度見ても思う作品です。