政府の試算によると、300万円世帯で27万3000円、500万円世帯で33万8000円の年間負担額増。増税ラッシュに対抗できる投資先は……!?
外貨MMFなら売却益は非課税
為替相場が歴史的な円高水準で推移している今、外貨投資は有力な選択肢の一つ。過去の消費税導入後、引き上げ時後に為替相場が円安に推移していることもふまえると、増税前の今は外貨投資を始めるチャンスなのかもしれません。外貨投資といえば外貨預金をイメージする人が多いのですが、増税に対抗できる金融商品としておすすめなのは外貨MMFです。外貨MMFは、投資信託の一種で、海外の高格付け短期債券やコマーシャル・ペーパー等を主な投資対象とし、元本割れの危険性が低いのが特徴です。
外貨MMFの分配金は、外貨預金の利息と同様、利子所得として課税されますが、為替差益は、外貨預金で課税されるのにたいし、外貨MMFでは非課税です。つまり、外貨MMFの売却益にはもともとかかる税金がないので、税率アップの影響をうけないのです。外貨MMFで投資できる通貨は、アメリカドル、オーストラリアドル、カナダドル、 ニュージーランドドルなど。現在、ユーロMMFについては、利回り低下によって販売を停止する金融機関が多くなっているのでご注意ください。
増税分を吸収する高利回りが期待できるファンド
また、増税分を吸収するほど高いリターンが期待できるファンドを取り入れるという方法もあります。そこで、この1年の運用成績が最も高いファンドの顔ぶれをご紹介しましょう。・バイオ医薬品関連ファンド
バイオ医薬品関連企業は、先進国の高齢化を背景に高い成長性が期待できる分野。そこに特化したバイオ医薬品関連ファンドの運用実績は安定して高いものになっています。この1年間の運用実績の例としては、ピクテ・バイオ医薬品F(毎月)為替ヘッジなしで26%、ワールド・ゲノムテクノロジーB コースで32%となっています。
・トルコ、フィリピンなど新・新興国ファンド
また、ポストBRICsと呼ばれる新興国に投資するファンドも高成績です。とくに、人口ボーナス期が2040年代までつづくとされるフィリピン、東西を結ぶ輸出拠点として活躍するトルコなどの株式市場が好調。フィリピン株ファンドはこの1年で23%、損保ジャパン・フォルティス・トルコ株式 『愛称メルハバ』は22%、シュローダー 中東/北アフリカ・ファンド 『愛称MENA(ミーナ)』は20%の成績をあげています。
・好利回りのリート(不動産投資信託)ファンド
安定的な分配実績をつみ重ねて高い成績をあげているのが、海外リートファンドです。リートのおもな収益源は不動産の賃料収入なので、株式ファンドにくらべリターンが安定的なのが特徴。この1年間の運用実績は、フィデリティ・USリートB(為替ヘッジなし) で24%、ワールド・リート・セレクション(米国) 『愛称十二絵巻』 で20%となっています。
※運用実績は2012年8月31日時点
当然ながら、高いリターンは高いリスクと背中合わせ。これらの運用成績は今後も大きく上下にブレる可能性があることにはご注意ください。また、攻めの運用においてもリスク管理は不可欠です。複数の投資対象に分散投資する、投資タイミングを分散させるといった投資の基本を忘れずに、勢いある市場の成長を、家計に上手く取り入れていきたいものですね。