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新しい光と映像―プロジェクションマッピングとは

東京駅駅舎の復原を記念する光と音のショー、「TOKYO STATION VISION」が開催されました。国内最大級のプロジェクションマッピングのイベントで、立体感のある映像が新しい駅舎に映し出されました。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

TOKYO STATION VISION 

復原された東京駅駅舎

写真1.復原工事が行われた東京駅駅舎

東京駅丸の内駅舎の復原工事が行われていたのをご存知でしょうか?2012年10月1日のグランドオープンを記念して、9月22日と23日には完成記念イベントとして、「TOKYO STATION VISION」というイベントが行われました。

これは幅120メートル高さ30メートルの東京駅のファサードそのものをスクリーンに見立てるプロジェクションマッピングという映像表現です。

ロンドンオリンピックの開会式でも多用されていましたが、今回はプロジェクターを46台使用した国内最大級のプロジェクションマッピングの事例となりました。プロジェクターは、2万ルーメンクラスのキセノンランプを使用しており、色の再現性は約10億7000万色にもおよぶそうです。キセノンランプは、演色性が高く、反射鏡で集光や平行光に光を制御しやすいランプです。

 

プロジェクションマッピングの機材

写真2.プロジェクションマッピングの機材(投影方式がDLP方式)

使用した機材は全て同じではなく、投影シーンによっても消費電力は異なりますが、平均最大で約4kW(瞬電時に最も電力を消費し、その後低下)となるそうです。「TOKYO STATION VISION」は、1回10分間のプログラムでしたが、1時間のイベントで、各種映像送出に必要な機材や音響機材消費電力を計算すると300kWh弱程度となるそうです。

東京駅の駅舎は1914年に創建されましたが、戦災で屋根などが焼失したため、部分的に補修して使用されていましたが、今回の復原では5年の歳月をかけて原型通りに復原され、歴史的建造物としての価値も高いものとなりました。(写真1)

映像表現は、西郡勲氏、長添雅嗣氏、TAKCOM氏、志賀匠氏、針生悠伺氏の5人の映像作家によって2分ずつ製作されたものをつなげた計10分間の作品として投影されました。

また映像と合わせた音楽も製作され、音楽監督は岩崎太整氏、総合演出はNHKエンタープライズの森内大輔氏が行い、光と音のスペクタクルショーが開催されました。
TOKYO STATION VISION

写真3.プロジェクションマッピングが投影された東京駅駅舎


次のページでは、5人の映像作家が製作した「時空を超えた旅」についてご紹介しています。

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