「これが、今回決定した下田の家のコンペに参加してきた建築家のみなさんのプランの全部です」
ウィークエンドホームズ(東京都港区)代表の森本剛さんが広げたパースの束を見て驚きました。なんと26人のプロの建築家たちの手による設計プランが、そこにはありました。そのレベルがけっこう高い。中には、もうこのまますぐ実設計に入れるのではとさえ思うほどの完成度のものも…。
もう一人の共同経営者である大場壱朧さんが言います。 「去年の4月に、1000人以上の建築家のみなさんにメールで住宅の設計コンペの事業をHP上で立ち上げるから参加しませんかと呼びかけたときには、賛同者はわずか70人程度でした。それがいまは400人。1年で数がそろうとともにレベルもぐんぐんアップしてきて、いまはCGを使った本格的なプレゼンが主流になってきました」
見ると、同じ条件、同じ土地に立つ住宅なのに、そのアイデアは一つ一つ全然違う。空間アイデアというものはこんなに豊富にあるものかとため息が出ます。実際、この下田の家を依頼された建て主さんは、複数のハウスメーカーに依頼していくつかプランを見せてもらい、「ああ、大体こんなものか」と思いつつも、試しにネットでコンペを開催しているウィークエンドホームズに設計依頼を出してみたそうです。その建て主さんがこのコンペ作品を見せられたときの第一声は、「エーッ!いままでと全然違いますねー!」というものだったそうです。まさか自分だけのために26もの建築デザインが用意されるなんて…。