堆肥も肥料として活用し、循環型畜産業を確立
高橋牧場では、牛の排泄物は発酵させて堆肥とし、近隣の野菜農家をはじめ大阪府下、和歌山県下の農家に譲り、肥料として活用される循環型農業を確立されています。堆肥の品質がよいのが評判で、頻繁に購入されるため、牛舎も清潔に保つことにつながり、臭いなどもほとんど気になりませんでした。
「大阪という都市近郊のエリアだからこそ、循環型農畜産業が実践しやすく、誰がどんなふうに使っているのかという顔の見える関係が築きやすい。これは、地域の資産」と、松田さんは言います。
生産から消費までつなぐ人の環
指定販売店四季旬菜みきの内野良平さん(写真左)と、高橋さん、松田さんで、生産から消費まで顔の見える関係を築いていています。
「ろうす亭・茂」は、当初より「なに和黒牛」のよさを理解し、応援されてきた焼肉店で、幅広い部位の「なにわ黒牛」の魅力を楽しむことができます。
また「四季旬菜みき」は、大阪・神戸・京都を中心とする飲食店に、全国の珍しい食材や高品質の旬の食材を提供されています。「四季旬菜みき」の「なにわ黒牛」販売担当の内野さんは、時折高橋牧場を訪れ、牛の様子を見たり、高橋さんや松田さんとコミュニケーションをとり、「なにわ黒牛」がどのように育てられているのか、なぜおいしいのかを自分自身で確認し、取引先の飲食店などにその魅力を伝えます。
そして料理人やお客様の反応を受け止め、松田さんや高橋さんに直接伝えることで、「消費者が喜んでくれる」というお二人のやりがいにもつながるそうです。
このように、生産から消費の現場まで、信頼できる関係が確立されている「なにわ黒牛」は、おいしいだけでなく、安心も得られる和牛肉です。「今後は、一般の方にもう少し買いやすい仕組みをつくりたい」と意欲を語る内野さん。
品質を守り、また顔の見える信頼関係の中で丁寧に生み出す「なにわ黒牛」はおのずと供給量が限られてしまいますが、少しずつデパートなどの催事などで、私たちが購入できるチャンスも増えてくるようです。
いただく命を活かせる食べ方を
「なにわ黒牛」は、肉質が軟らかく、とろけるような脂質と、風味のよさが特長。
「これからは、肉のブランドだけでなく、実際に食べたおいしさや、安心感を求める消費者が必ず増えるはず。きっとそんな消費者には『なにわ黒牛』は認めてもらえる」と力強く語る松田さん。
最後に松田さんは、「高橋さんは、牛たちの供養を欠かさないんだよ。2年ほどの間世話をする牛を出荷するときは、やはり我々も胸にこみあげるものがある。牛はただの経済のための道具ではない。命をいただいている以上、その命を大切に生かさんとね」と、心の奥の大切なものをそっと私に手渡すように話してくださったことが、心に響きました。
日本では、食糧自給率が40%を切り、その低さが懸念されていますが、食べ物を食べきれずに、あるいは無駄にして捨てている現実もあります。また豊かな日本では、おいしい物はいくらでも溢れています。何を食べるかを選択する時に、誰がどのような思いで作っているのかを知ることで、食べ物を大切に食べようと、私たちの意識や行動が変わってくるのではないでしょうか。
・『なにわ黒牛』に関するお問い合わせは
株式会社Special Food.J
TEL 06-6682-1131
大阪市住之江区緑木1丁目4-35 Mediaプラザ203号
・アンテナショップ/
ろうす亭・茂
TEL 06-6882-1129
大阪市北区浮田1-5-26
・指定販売店/
四季彩菜 みき
TEL 06-4800-2066
大阪市北区松ヶ枝町8-20 コンフォート松ヶ枝II 1階