手紙の書き方・文例/敬語の使い方

あなたを不快にさせる4つのタイプ別言葉遣い(2ページ目)

言葉や敬語は、間違えずに正しく使うことが基本ですが、たとえ言葉遣いは正しくても何だか不自然に感じたり、あるいは不快な感じを受けたりということもよくあるものです。間違いであっても笑って許せる心ある誤りと、正しくても不快な誤り。その違いは何なのでしょうか? 不快感を与える言葉遣いをタイプ別に見てみましょう。

井上 明美

執筆者:井上 明美

手紙の書き方ガイド

3:浅はかな誤用タイプとは

「私ども、このたびお近くの○○通りに新しくお店をオープンさせていただきました。○○コーヒー店様のお向かい側でございます」
「○○のようなことを主にやらさせていただいておりますので、お近くに参られた際はぜひ…… 」
営業の会話などでよく耳にするケースです。どこがおかしい、誤用なのか、数え上げたらきりがありませんね。

言葉の誤りだけでなく「させていただく」が多すぎるのも気になりますから、その辺りをすっきりさせますと次のような言い換えが適切でしょう。「このたびお近くの○○通り、コーヒー店の向かいに新しくお店をオープンいたしました○○でございます」「主に○○商品を扱っておりますが、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りくださいませ」
 

4:お上品な過剰濫用タイプ

「フルーツだけでもビタミン的にはよろしいのですが、お野菜もとおっしゃられる方もいらっしゃいまして、最近は皆様ご健康にお気をつかっていらっしゃられるようです」「私も健康のために、お食事の際にはたくさんのお品をいただいております」
主に女性に多いでしょう。間違いではない部分もありますが、別の言葉に言い換えたほうがより適切と感じる部分もあります。また「お食事」「お野菜」などの言葉は美化語とも呼ばれ誤用ではありませんが、「お夕飯のお献立はお大根のサラダとお肉を使ったお料理」などとなりますと、くどく感じたり、滑稽で幼稚な感じに聞こえてしまうこともあります。

こちらも、くどいと感じる部分をすっきりさせますと、次のような言い換えができるでしょう。「フルーツだけでもビタミンとしては良いかと思いますが、野菜もという方もあり、最近は皆様健康には気をつかうという方が多くいらっしゃるようです」
「私も健康のために、食事の際にはたくさんの品をとるようにしております(食べるようにしております)」など。

また、2などはたしかに間違いですが、言われたほうは心の中でクスっと笑ってしまうことはあっても、不愉快に感じたり腹が立つという種類のものではないでしょう。どちらかといえば、心あるうっかり誤用というようなものです。

それよりも気を付けたいのは3、4の誤用です。使い慣れていないというよりは、敬語を使うべき箇所が変であったり、過剰であったりするために不自然さを与えてしまうケースです。相手に対して丁寧に言おう、上品な言葉を使おうという気持ちから生ずるものとも解釈できますが、「させていただく」や「お」の過剰使用、「やらせていただく」などの普段語・俗語の濫用は、聞いていて耳障りに感じたり、不愉快な気分になることも多いものです(「させていただく」の正しい使い方はこちらから)。

自分では気が付かないこともありますが、このような相手を不快にさせるタイプの誤りや過剰敬語には注意しましょう。
 
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