食感は、口から喉で受ける刺激
暑い時には、冷たく、ぷるるんとした食感は、ひときわおいしく感じます。
食感のセンサーは、2種類あり、種類によってどちらかが主体的に反応しています。歯ごたえ・噛みごこち・歯切れは、歯の根元と骨とが接する部分にある歯根膜がセンサーとして働きます。食品を歯で噛んで感じる力の大きさや硬さ、弾力性などの情報をキャッチします。
口あたり・舌ざわり・喉ごしは、口の中の粘膜や舌がセンサーとなり、接触した時に滑らかさやざらざら感・みずみずさなどの情報をキャッチします。
多様な和食を背景に、食感を楽しむ日本人
日本人は、海外と比べても食感を楽しんできた民族のようです。『総研ニュース No.19(2007)』に次のように紹介されています。日本語テクスチャー用語リストの最大の特徴は、445語と数が多いことである。中国語テクスチャー用語リストでは144語、英語の例で77語、ドイツ語の例で105語であった。これらは調査方法が異なるので、3倍、4倍といった比較はできないが、それにしても、「日本語のテクスチャー表現は数が多い」と言ってよいと考えられる。
また、日本では、ネバネバや弾力に関する表現が多いことが特徴としてあげられていました。
古来、日本人は餅などの粘りのある食品を好んで食べてきた。納豆、里芋、こんにゃくなど、粘りやぬめり、弾力が特徴の食品も日本人の食卓には数多い。日本でよく食べられている食材や日本人のテクスチャー嗜好が言葉の背景にあるのではないかと推測される。
とあります。それだけ日本人が食べてきた食事は、食材や調理法に多様性があり豊かだと言えるでしょう。