軽自動車よりもさらに小さい「超小型車」

「軽自動車」という自動車の区分は、日本独自のもの。日本の狭い道路や車庫事情を反映してつくられた区分です。軽自動車に分類される小型の自動車は、税金や車検代が安かったり、車庫証明が必要なかったりというメリットを受け、市場に広く普及しています。

最近になって政府が軽自動車よりもさらに小さい自動車の区分として、「超小型車」を新設しようと動いています。まだ確定はしていませんが、超小型車の基準はだいたい以下のようなものになるということです。

  • 排気量は125cc程度(軽自動車は660cc以下)
  • 乗車定員は1~2人
  • 最高速度は時速50~60km程度

税金や車検などの法定費用はまだ決まっていませんが、軽自動車よりも安くなると考えられます。軽自動車をさらに小型にして、1人で気軽に乗って買い物に行ける自動車がイメージできるでしょう。

実はすでに完成品も?

区分だけできても実際に超小型車を生産するメーカーがないと、意味がありません。トヨタはすでに「コムス」と呼ばれる小型の電気自動車を生産しています。コムスは1人乗りで、現在の区分では「ミニカー」に入ります。超小型車の区分が導入されると、コムスがそこに入るべき最有力候補となるでしょう。

日産も「ニューモビリティコンセプト」という名前の超小型試作車をすでに公開しています。こちらは2人乗りだそう。

トヨタ・日産以外にも、超小型車の制度が導入されたら、本格的に参入してくるメーカーも出てくるでしょう。

現実的には、何のために使う?

こんな超小型車は、実現したとしてもどう使うのでしょうか? 「バイク」的な感覚で捉えてみるとわかりやすいかもしれません。

バイクのように1人で近くまで買い物にでも行く時に気軽に乗れる、そんな乗り物が超小型車。しかし、バイクは屋根がないので雨が降ると使えず、バランス感覚を必要とするので乗れない人もいるでしょう。そこで、バイクよりも全天候型で、かつ2輪車が苦手な人でも乗れるのが超小型車と考えられます。

実際は難点も。意外に価格が高いところです。「コムス」でだいたい60~80万円。バイクで安いものなら、例えばスクーターでホンダの「Dio」が15万円程度、ロングセラーの「スーパーカブ50」が19万円程度です。これを見ると、バイク感覚といっても、バイクの方が明らかに安い現状です。バイクとは違う性能(ある程度大きな荷物を運べるなど)を持ち一概には比較できませんが、価格に相応しいメリットを提供できるかが普及のかぎとなるでしょう。