早期の来場者ほど契約する確率は高くなる  先手必勝で優良顧客を囲い込め! 

東京スカイツリー

東京スカイツリーも開業から50日間は「完全予約制」だった

今年5月22日に開業した世界一の自立式電波塔「東京スカイツリー」。混雑を見込み、7月10日までの50日間は展望デッキへの入場を完全予約制にしていました。22日当日のチケットを入手できた人は強運の持ち主と言えるでしょう。私、ガイドも近いうちに行きたいと思っています。

さて、モデルルーム見学は抽選などということはありませんが、近ごろ、事前案内会を完全予約制にして開催しているケースを目にするようになりました。ここでいう「完全予約制」とは、来場日時と来場人数を前もって売り主に知らせておき、当日は待ち時間なくスムーズにモデルルーム見学や資金相談ができる接客スタイルを指します。以前から“億ション”と言われるような高額マンションでは取り入れられていましたが、今日では一般のマンションでも見かける機会が増えました。一体、なぜなのでしょうか?――

考えられる最大の理由は優良顧客の早期囲い込みです。これは私、ガイドがマンションの営業マンをしていたときの経験に基づく法則なのですが、「早期の来場者ほど契約する確率が高い」という法則を最大限に活かせるよう、一般公開に先駆けて予約制でのモデルルーム見学会を開催し、契約見込みの高い顧客を集めようと目論(もくろ)んでいます。

優秀な人材を確保しようと、企業が前倒しで新卒学生向けの就職説明会を予約制にして開催するようなイメージです。完全予約制でのマンション見学会ではコーヒーやケーキが出されることも珍しくなく、VIP待遇することで来場客を“その気”にさせる狙いもあります。

相対による“ここだけの話”ができるのも、完全予約制ならではの特徴 

また、2つ目の理由として契約歩留まりを高め、効率的なマンション販売をしたいという売り手側の戦略も見て取れます。完全予約制にすることで事前に営業マンの必要人数が把握できるので、予約状況に合わせて人員を調整でき、過不足ない状態で接客できる環境(人員配置)を用意できます。

どうしても週末の午後は見学客が集中するなど、フルオープン(一般公開)にすると来場客の“波”が出来てしまいます。購入意欲旺盛な優良顧客を取りこぼしては大変です。完全予約制にすることで、“接客機会の損失”を低減させる効果が期待できます。

さらに、3番目の理由として、他の来場客を気にしなくて済むのも予約制ならではの特徴です。特に、クリアランス物件では値引きなどの個別相談が必至です。隣の来場客の話し声が聞こえてくるなど、混雑したモデルルームでは“ここだけの話”が出来ません。

マンション販売の現場では他聞されたくない交渉ごとがしばしばやり取りされています。その点、完全予約制であれば、他人の目を気にする心配はありません。商談に集中することができるようになり、買い主側にとってもメリットとなります。

【まとめ】 モデルルーム見学会を完全予約制にする売り主側の狙い
  • 契約見込みの高い優良顧客の早期囲い込みを目論む。
  • 事前に営業マンの必要人数が把握できるので、予約状況に合わせて人員を調整し、過不足ない状態で接客できる環境(人員配置)を用意できる。
  • 他の来場客を気にせず値引き相談などに応じることができる。

マンション購入を検討中の読者の皆さんは、本コラムを参考に完全予約制をうまく活用してほしいと思います。


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