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新規供給数は2ケタ台の増加 本格回復軌道に乗った住宅市場

東日本大震災によって停滞を余儀なくされたマンション市場が本格的な回復軌道に復していることが、ここ最近のデータから読み取れます。

7月18日に不動産経済研究所から発表された2012年上半期(1月~6月)の「首都圏新築マンション市場動向」によると、新規供給数は2011年の上半期(同)より14.0%増の2万746戸となりました。特に、東京都下と埼玉、千葉の郊外部では2ケタ台の増加を示しており、被災者に配慮した営業自粛やマンション建設の部資材の不足など、いくつもの難局を乗り越え、供給数を従前のペースまで回復させています。

こうした景況感の改善は、中古マンション市場でも見て取ることができます。7月17日に東日本不動産流通機構から発表された「首都圏不動産流通市場の動向(4月~6月)」によると、今年4月~6月の間に売買が成立した首都圏の中古マンションは7653戸となり、昨年4月~6月と比べて12.9%の増加となりました。また、このような2ケタ増は中古の戸建て住宅にも当てはまり、成約件数は13.7%増の2869戸。先の大震災による反動増はあるものの、住宅市場全体が持ち直しているのが分かります(下表参照)。

大震災による住宅供給数の変化

 

その理由として考えられるのが、消費者の住宅に対する購入意欲の高まりです。長谷工アーベストが今年7月に実施した「住宅の買い時感」に関する顧客マインド調査によると、東日本大震災で大きく低下した「買い時感」は今回の調査で震災前の水準まで回復していることが分かりました。低位安定する住宅ローン金利や低水準の住宅価格にサポートされながら、マイホーム検討者は「今が買い時である」との認識を強めています。

震災の影響が軽微だったことを受け、販売に本腰を入れ始めるマンション業者 

こうした意識の変化を受け、分譲マンション業者は販売姿勢を「様子見」から「本格展開」へと方向転換させました。東日本大震災による住宅市場への影響が思った以上に軽微だったことが確認されたため、新規供給を再スタートさせたのです。

しかし、かつてのような大量集客が望めなくなった今、来場客ひとり1人を大切にしないと完売はできません。そこで、予約制のモデルルーム見学会を開催し、一球入魂ならぬ“一客入魂”のマンツーマンによる接客営業で顧客獲得に努め始めています。完全予約制の事前案内会を開催している新築マンションが散在していることに、お気付きの読者も少なくないはずです。

はたして、モデルルームを「完全予約制」にする真の狙いは何なのでしょうか?―― 次ページで核心部分に言及します。