両者の違いは調整機能の一部のみ
では、どこが違うのかというと、デジタル調整機能の一部と、それにともなう拡張性の部分である。例えばGEQ(グラフィック・イコライザー)。両モデルとも左右共通の10バンドの10バンドGEQを搭載しているが、プレミアムモデルは、これに加えてフロント左右独立31バンド+リア10バンドのGEQを併用できる。バンド数が多いということは、よりきめ細かく音質を調整できるということだ。
またクロスオーバー・ネットワークは、スタンダードモデルがフロント最大2ウェイまで、サブウーファーを含めて最大3ウェイまでの対応だが、プレミアムモデルはフロント最大3ウェイ、サブウーファーを含めて最大4ウェイまで対応できる。しかも、フロント用の出力を低音用のスピーカーに、リア用の出力を高音用スピーカーに割り当てることで、本格的なマルチアンプシステムにも対応可能なのだ。
音がいいナビというよりナビ機能を持つ高級カーオーディオ!
ほかにも、プレミアムモデルには、外部パワーアンプを接続するためのラインアウト端子が付属しているが、スタンダードモデルは別売だったり、ボディカラーがプレミアムモデルのブラックに対して、プレミアムモデルはブラウン系だったりといった違いはあるが、調整機能を使わない素の「音」に関しては、スタンダードモデルもプレミアムモデルも、まったく変わらないのだ。その音を、まず試聴室で聴いてみたが、解像度の高さに驚く。細かい音までしっかりと再現しているから、音楽のニュアンスまで伝わってくるし、音像の輪郭もクッキリと浮き立つ。しかも、楽器の前後の配置といった奥行き感までわかるのが凄い。
これまで、カーナビから高級カーオーディオまで、あらゆる機器の音を試聴してきたが、従来のカーナビの枠ははるかに超え、高級カーオーディオも顔負けの高音質だ。