展望デッキで潮風に吹かれ
7月中旬のその日、18時15分の久里浜港出港時にはまだ日が高かった。客室に貼られた夕日ガイドによれば、本日の日の入りは19時ちょうど。最上階の展望デッキに上がると、もはや日差しに勢いはなく昼間の暑さが嘘のよう、東京湾を渡る潮風が爽快だ。相方とでもいうべき、しらはま丸とすれ違うのは、航路のちょうど中間地点。日はしらはま丸が目指す久里浜側に落ちてゆく。デッキのそこかしこのイルミネーションランプが、暮れなずむなか刻々と輝きを増していき。さらに雰囲気を盛り上げる。
航路中央付近で18時20分金谷港を出たしらはま丸とすれ違った。しらはま丸の行く手に日が沈んでいく
豪華客船や、巨大コンテナ船が
それにしても行き交う船のなんと多いとか。航行量の多さで世界に知られる東京湾の、最もタイトな箇所を横断しているのだからと、頭でわかっていても目の当たりにすると驚く。米海軍第七艦隊もここを通らないと横須賀基地に出入りできないから、時には空母や潜水艦と遭遇することも。豪華客船や、巨大コンテナ船が、間近を横切るのは決して珍しいことではない。様々な種類、大きさの船を近くで見れるのも東京湾フェリーならではの醍醐味だろう。
前方を横切り、東京に向かう船の列。東京湾には絶えず船が出入り。そのバリエーションも豊富で見飽きない
ふたりでも貸し切れるラウンジも
乗船時間は40分に過ぎないが、定員580名だけあり、客室も広い。進行方向を向いて座る椅子席、ラウンジ席、窓に向かってベンチが並ぶ展望席の他、デッキには椅子5脚とセットになった、たくさんの丸テーブルも。ビーチでよく見かけるプラスチック製の白いそれは、揺れや風に耐えられるよう甲板に固定されていた。20席のソファーが並ぶ操舵室後部のグリーン室。ルームチャージは3000円。窓の向こうは展望デッキ
もちろん、ふたりでも貸し切り可能で、利用できるのは一便一組のみ。リザーブは早い者順である。
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