自主管理は想像以上に大変です
いくつもある管理会社との契約スタイルのうちどれを選ぶかは、それぞれのオーナーさんの事情や考え方次第です。他に仕事を持つサラリーマン大家さんと、時間的な余裕のある専業オーナーさんとでも違ってくるでしょう。
ひと昔前までの賃貸経営では、全ての業務をオーナーさんが自ら行う自主管理が一般的でした。今でもそうしたやり方で賃貸経営を行っているオーナーさんはたくさんおられます。
自主管理はコストが安い反面、リスクは全てオーナーさんが背負うことになります。クレームや不良入居者への対応もオーナーさん自身で行わなくてはなりません。
こうした管理業務の全てをオーナーさん一人で行うのは大変なことです。手間と時間を取られるというだけでなく、オーナーさんはそれぞれの業務に関して専門家ではないため、どうしても甘い部分が出てきてしまうのです。その結果、入居者とトラブルになるなどの問題が起きて、苦しむことが多くなります。
とりわけすばやい判断ができなかったり、コミュニケーション能力に問題があったり、上から目線だったりするオーナーさんは失敗するケースが多いものです。家賃滞納された場合も、自分できちんと応対し、不良入居者と渡り合う覚悟があればよいのですが、家賃を回収する自信が十分でないのであれば、回収のプロである不動産管理会社に集金を委託するべきでしょう。
黙っていても入居者が来てくれた時代にはオーナーさん一人で取り仕切っていても問題は少なかったのですが、今のような賃貸経営の冬の時代には、何かあったときに親身に相談に乗ってくれる、信頼できるパートナーを持つほうが安心できます。入居者の募集だけでなく、集金から契約更新といったソフト面の業務を一つの会社に任せてしまうことで管理が楽になります。
さらに建物の管理など、ハード面までを含めて一つの管理会社に委託してしまえば、オーナーさん自身ではほとんどする必要がなくなります。地域によっても違いますが、滞納保証を伴わない集金管理のみの委託であれば、委託手数料はおよそ家賃収入の3~5%程度で済みます。
集金管理に加えて滞納保証をつけると5~6%となり、空室が出た場合の家賃保証までつけた場合には10~15%となります。その代わり集金管理、クレーム対応、退去時の立会い、原状回復の見積もり、空室が出た際の募集、新しい入居者との契約、引渡しなど、全ての業務に関してサポートしてくれます。いわば賃貸経営におけるオーナーさんのパートナーとなってくれるわけです。
ただ全ての賃貸業務を特定の不動産管理会社に委託すると、オーナーさんから見れば管理会社に対する依存度が非常に高くなってしまいます。どのような相手をパートナーに選ぶかで大きく満足度が変わってくるので、選び方が大切になります。