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マニアに捧ぐ!上半期「激ヤバ宿」セレクト3(3ページ目)

「記事にするには過激すぎ?!でも、独り占めしておくにはもったいない!」そんな秘蔵の宿をセレクトしました。万人受けはいたしませんので、よく下調べして出掛けてくださいね。普通の宿には泊まり飽きた?!そんなマニアの方にお伝えしたいセレクト3です。

山田 祐子

山田 祐子

旅館 ガイド

ホテルに勤務した後、コンサルティング会社を経て、現在は、大学の講師を務めながら全国の地域や宿の支援と取材調査を行っている。川村学園女子大学 専任講師、高崎経済大学 非常勤講師、宇都宮共和大学 非常勤講師、東京YMCA国際ホテル専門学校 非常勤講師、ツーリズムワイズラボ代表

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過激度レベル3 人生変えちゃう宿かもね!?

大きな震災後に崩れた安全神話。「限りなく原始に近い生き方ってできないものだろうか?」そんな生活への疑問を持たれた方に、訪ねてほしい民宿をご紹介しましょう。

上半期

大麻座(タイマグラ)橋

民宿「山小屋 フィールド・ノート」は、岩手県の中央にある早池峰山の麓「タイマグラ」にある奥畑さん一家が営む宿。タイマグラ……その名前の響きからいって想像がつくかもしれませんね。そうです。ここはかつてアイヌの山里でした。「きれいな水の流れるところ」「人が集う森」という意味があるそうです。

「大麻座橋(タイマグラ橋)」と書かれた橋を渡った左手、うっそうとした茂みのなかに宿は見え隠れしています。看板もなく、携帯電話も通じませんので事前に下調べが必要です(カーナビの場合は「タイマグラキャンプ場」を入力すると付近まで行くことができます)。

 

上半期

薪ストーブを囲む食卓

ここ、タイマグラは戦後に10数軒の農家が移り住み開拓をしましたが、最後に残ったのは一組の夫婦。その暮らしぶりが映画化されたのが「タイマグラばあちゃん」です。DVD化されていないのですが、制作ノートである「タイマグラ通信」は、いせフィルムの通信販売で手に入れられます。

20年間二人だけで生きてきた、ばあちゃん夫婦の隣人となったのが、宿のご主人である奥畑さん。宿泊客は、一家のお家に泊めてもらうようなかたち。二部屋しかありませんので、男女混ざったグループなら男女別。夫婦や家族なら二組まで泊まることができます。

なにせ昭和60年代に入ってから電気が引かれたぐらいの所ですので、自給自足が基本です。火力の基本は薪。電気も最小限に、トイレも水洗ではありません。お風呂もトイレも一つだけ。皆で仲良く順番に済ませます。

居間では、三人息子の末っ子くんが宿題をしながら手伝いをしています。ヒバ作りの風呂で「お湯加減いかがですか~?」なんて声を掛けられた時には心が温かくなるのを覚えます。夕飯時になって真ん中のお兄ちゃんが帰ってきました。しかし、二人の瞳と肌が透き通っていること! 人間はこんなにも美しく育つもののだ!と感動します。

夕飯は、ストーブを囲んで、山菜や野菜を中心にした手料理をいただきましょう。「まさかお酒なんて……」なんて思っていたら、なんと冷たい缶ビールの次にはお気に入りの地酒が出てくる出てくる! ゆっくりとお酒を酌み交わしながら、この国の政治や経済までを語りつつ、夜はあっという間に更けていきます。

料金は、一泊二食で6000円。お酒を飲む方は7000円。
自分の人生「激ヤバ!」なことに気づいちゃうかも!? そんな、ありがたい宿なのです。
上半期

一家が住む一軒家


■早池峰・タイマグラ 「山小屋 フィールド・ノート」
住所:岩手県下閉伊郡川井村字江繋タイマグラ
TEL:0193-78-2888(受付時間8:00~21:00)
地図:Yahoo!地図情報
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