宝塚ファン/宝塚歌劇団 トップスターの変遷

宙組トップスター大空祐飛・野々すみ花―退団(5ページ目)

2012年7月1日、宙組トップスター・大空祐飛さん、娘役トップスター・野々すみ花さんが、宝塚歌劇団を卒業しました。大人の魅力溢れるゴールデンコンビでした。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

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『舞姫』でバウホール公演初ヒロイン、新人公演ヒロインも次々と務めていきます。
「新人とは思えない演技力」「堂々とした舞台姿」……そんな言葉が常に聞かれる中、大空祐飛さんと出会った運命の役、『銀ちゃんの恋』の小夏を演じます。 “不憫な女”ではなく“あんなに可愛い女”に見せた野々さんの凄さ。

また2009年より、第9代池田銀行(後の池田泉州銀行)のイメージガールも務めました。

やがて、大空さんと共に宙組に組替えし、トップ娘役の座に。魅力的な役を次々と演じていきます。
『カサブランカ』のイルザ、『ヴァレンチノ』のジューン、『仮面のロマネスク』のメルトゥイユ侯爵夫人……。大空さんの相手役ゆえ、酸いも甘いもかみ分けた大人の女性の役も多く、上品な中に匂い立つ色香、若さや瑞々しさを感じさせながら、ベテランの貫禄さえ見せました。
それでいて『クラシコ・イタリアーノ』ミーナのような等身大の役も溌剌としていてチャーミング。

『誰がために鐘は鳴る』

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

そんな可愛らしさを最大限に発揮したのが、髪をショートにして挑んだ『誰がために鐘は鳴る』のマリア。健気で純粋な“可愛いウサギさん”は、聖女のように清らかでした。

野々さんが動かす舞台の空気は「演じるのが好き!」という彼女の気迫なのでしょう。
美声で奏でる歌も上手い。キレのあるダンスも素敵。
そして……泣く演技が上手い。これほど観客を泣かせるのが上手い娘役もいませんでした。

テクニックかつ天才的なセンスの良さから、娘役というより“女優”という言葉が似合う人でした。

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