住みたい街 関西/子育て・環境重視の街選び[関西]

大阪京都神戸3市~小学校でみる少子化事情vol.1(2ページ目)

少子高齢化に向かっているのは確実ですが、日々の生活ではなかなか実感できません。成人人口が何人といわれてもピンとこないですよね。しかし地元の小学校をみると如実にわかるかもしれません。学級数が少なくなったり、学校そのものがなくなったり。今回と次回の2回にわたり、大阪、京都、神戸の少子化エリアがどこにあるかを小学校事情を通じてみていく事にします。

田中 和彦

執筆者:田中 和彦

住みやすい街選び(関西)ガイド

大阪市の小学校統廃合事情

まずは大阪市内の統廃合された小学校を見てみましょう小学校が統廃合されているということは、そのエリアの小学生が少なくなったのだと考えられます。統廃合状況は以下の通りです。(※今回紹介する事例は全て1980年以降の事例です)

【北区】
堂島小学校(1986年閉校、曽根崎小学校に統合)
曽根崎小学校、梅田東小学校(1989年閉校、(新)大阪北小学校に統合)
済美小学校(2004年閉校、(新)扇町小学校に統合)
北天満小学校(2004年閉校、(新)扇町小学校に統合)
大阪北小学校(2007年閉校、扇町小学校に統合)
中津南小学校(2010年閉校、中津小学校/大淀小学校に統合)
【中央区】
道仁小学校、芦池小学校、大宝小学校(1987年閉校、(新)南小学校に統合)
集英小学校、愛日小学校(1990年閉校、(新)開平小学校に統合)
桃谷小学校、東平小学校、桃園小学校、金甌(きんおう)小学校
(1991年閉校、(新)中央小学校に統合)
精華小学校(1995年閉校、南小学校に統合)
【浪速区】
難波小学校、元町小学校(1985年閉校、(新)難波元町小学校に統合)
【西成区】
新今宮小学校(1981年閉校)
【平野区】
大和川小学校(1989年閉校、長原小学校に統合)

大阪市24区の内、1980年以降に小学校の統廃合があったのは上記の5区。北区、中央区に統廃合が集中しています。両区とも都心エリアであり、年齢構成の変化よりも居住人口減少による影響が多かったと考えた方が良いでしょう。現在は、いずれの地域も都心回帰の流れから分譲マンションが相次ぎ人口は増加傾向。

ちなみに統廃合先となった先の学級数/児童数は、扇町小学校が12学級315名、南小学校は7学級187名。現在大阪市内にある小学校の学級数/児童数の平均は各々約13学級/約400名です。これらの都心部では、かつて何校も学校が存在した広域エリアの小学生数を合わせても市内の平均に満たない程度の小学生数しかいない、という事になります。

浪速区は小学校過疎エリア

次に、児童数の少ない小学校、具体的には各学年に1学級もしくはそれ以下しかない小学校を見てみましょう。これらの小学校は今後更に生徒数が減ると統廃合の対象になるものと考えられます。

6学級以下の小学校が多い区は、浪速区(全9校中8校)、西成区(全14校中8校)、生野区(全19校中5校)。いずれも市内南部、天王寺区隣接の区です。中でも浪速区は他の1校も7学級、複式学級(複数学年で編成されている学級)をもつ小学校も2校あります。

ちなみに一番学級数が多い小学校は西成区隣接である阿倍野区の常磐小学校で33学級。市内南部でも、平野区、東成区は6学級以下の小学校は0校。同じ大阪市内でも小学生がたくさんいる区もあれば、浪速区のように全ての小学校の存続が危ぶまれる様な区もあります。ちなみに浪速区の小学生数は1150名、阿倍野区常磐小学校の小学生数は1151名。ほぼ同数です。

少子化といっても区によってまだら模様の大阪市内。次回は京都市、神戸市の少子化エリアをみてまいりましょう!
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