年金

あなたに有利な個人年金の選び方は?(3ページ目)

公的年金を補完する収入として人気の高い個人年金。いろいろな視点から分類することができますが、今回は受給期間の違いから商品を分類し、ライフスタイルに合った商品を選択するポイントをご案内します。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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事例3~独身フリーランスの個人年金の選び方

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同年代の独身男性、フリーランスと会社員の事例です

昭和47年4月25日生まれのタカハシツヨシさん(40歳)は、建築士です。大学卒業後、父親の経営する建築事務所(個人経営)で働き始め、現在も一緒に働いています。20歳から国民年金に加入し、60歳まで加入する予定です。タカハシさんは65歳から老齢基礎年金を受給します。
タカハシさんの現状

 

■介護にかかるお金を準備
タカハシさんは、できるだけ長く建築士の仕事を続けるつもりですが、独身なので高齢になり、介護が必要になるころの収入を確保しておきたいと思っています。公的年金が老齢基礎年金のみなので、終身で受給できる個人年金に加入しておくと安心でしょう。独身なので保証期間は特に必要ありません。

■終身年金で老後に備える
タカハシさんは、事例1のスズキさん夫婦と同じ第1号被保険者なので、国民年金基金に加入することができます。保証期間のない終身年金はB型なので、B型に8口加入すると年額60万円(月額5万円)の年金を確保することができます(下図)。なお、国民年金基金はあくまで老後資金の準備のためのものなので、一時金での受給や中途解約は原則できません。さらに老後の上乗せを考えるなら、事業資金として現金化したり一時金で受給できる民間の個人年金などを検討してみてもいいでしょう。
タカハシさんの相談後

 

 

事例4~独身会社員の個人年金の選び方

昭和37年4月2日生まれのタナカマナブさん(50歳)は、独身の会社員です。大学卒業後、現在の会社に就職しました。学生時代は国民年金、就職後は厚生年金に加入しています。

タナカさんは60歳で現在の会社を定年退職するつもりです。タナカさんは、65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給します。タナカさんの趣味はツーリングで、60歳でリタイアした後は趣味に時間とお金をかけたいと思っています。現在の勤務先では、企業年金と退職一時金を組み合わせて受給することができるので、一部を一時金、残りは5年間の有期年金を受給しようと思っています。
タナカさんの現状

 

■趣味を楽しむゆとりがほしい
65歳以降は老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給することができるので1人暮らしの生活資金は十分だと思っていますが、60代のうちは趣味を存分に楽しむためプラスアルファを準備しておきたいと思っています。

■企業年金と有期年金で上乗せ確保
タナカさんは独身なので、65歳以降は2階建ての公的年金で生活資金を賄えるかと思われますが、企業年金のみとなる60代前半や70歳まで十分に趣味を楽しみたいなら、60歳から10年間は有期年金で120万円程度の上乗せが確保できると安心でしょう。独身なので、確定年金や保証期間は特に必要ないでしょう。
 
タナカさんの相談後

 

個人年金、契約時の注意点

4つのパターンを例にして、個人年金の受取期間から商品を選択するポイントをみてみました。実際に商品を選択する場合、税制上のメリットを活かせる商品があれば優先するポイントになります。

事例1のスズキさん夫婦と事例3タカハシさんのように国民年金の第1号被保険者は、掛金が全額所得控除となる国民年金基金が有利です。国民年金基金は掛金が全額所得控除となり、受給する年金は公的年金等控除の対象となります。受取期間の選択肢が多く、税制上のメリットが大きい国民年金基金はフリーランスなど第1号被保険者には有利な選択といえるでしょう。

先日、厚生労働省が自立して健康な生活を送れる期間を示す「健康寿命」を初めて発表しました。全国平均で男性が70.42歳、女性が73.62歳と、男女とも60代のうちは健康な生活を送っていることが統計上示されました。活動的な60代を過ごすには、お金の準備も大切です。個人年金で老後資金の準備計画を立てるときは、公的年金の受け取りに合わせて無駄のないよう商品を選択しましょう。

※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。

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