ディナーコースより
今回オススメするコースは料理7皿+デザート3皿から構成されるディナーコース(7350円)。予約時にリクエストすればランチでもディナーコースがいただけますので、初めて訪問される人はまずは是非ともディナーコースでシェフの料理世界を堪能してほしいですね。
・河内鴨のブーダン
河内鴨のブーダン
まずアミューズとして登場したのは、河内鴨のブーダン。アルミのピルケースに入れられたブーダン・ノワールには葡萄のジュレが乗せられており、この果実の自然な甘味がブーダンと絶妙の相性! 添えられたパルミジャーノのチュイールも香り豊かでブーダンを一層引き立ててくれます。
また、盛り付けのガーリーなキュートさもさることながら、ブーダンのような濃厚料理はアミューズの場合、これくらいの少量がベストだと思いますし、食べ手のことをよく考えて作られた、嬉しくなる一皿ですね。
・燻製ホタテとガスパチョ
燻製ホタテとガスパチョ
この料理はサプライズ! 何と燻製した帆立にスポイトが突き刺さっているのです! 食べ方もユニークで、まずはスポイトごと手に取り、スポイトの先に突き刺さった燻製帆立を口に入れたまま、スポイトをギュッと押します。するとスポイトの中に入っているトマトのガスパチョが口内に発射され、燻製帆立と舌の上で交じり合う、という仕組みです。まさに口内調理! これはユニーク。
・鮎とショコラ
まさにスペシャリテに相応しい逸品
そして、シェフのスペシャリテの一つとも言うべき鮎料理。去年の同じ料理よりもさらに進化されたということですが、とにかく見た目も味も素晴らしい一皿となっています。まず、全体をまとめるソースにはカカオ(ショコラ)が使われており、皿に描かれているのは、カカオソースで「鮎が泳いでいる川」をイメージしたもの。黄色いソースは、パッションフルーツを使ったもので、これは蓼酢の代わりの酸味付けとしてのアクセント。
鮎(滋賀県産)は身・骨・肝の3種類に分解され、それぞれ手間暇のかかった調理が施されており、身部分は焼いてほぐしたものを胡瓜の薄切りで巻き、さらにその上に胡瓜のジュレを巻き上げるという2層仕立て。
鮎に胡瓜を合わせてあるのは、彩りだけではなく、胡瓜の風味は川のコケを食べる鮎の香りに近いものだからだそう。確かに鮎と胡瓜、季節的にも最高の相性だと思いましたね。
そして、これだけでも気が遠くなるような手間暇がかかっているというのに、さらに肝部分はカカオを織り込んだボンボンショコラ化! これがモチモチ食感&カカオ風味で何とも不思議なテイストに。
鮎とショコラ
骨部分は揚げられて丸ごと食べられるようにしてあるのですが、これが骨煎餅というか、骨クッキーのようなサクサク食感で、骨とは思えないほど旨い! それにしても骨まで旨いと思わせるシェフのテクニックとセンスは、さすがです。
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