世代ごとにファンをもつクルマ好きのアイドル  

ポルシェ911

タイプ996以来の全面改良を受け、約90%のコンポーネンツを一新した。ボディサイズは全長4491mm×全幅1808mm×全高1295mm、ホイールベースは2450mm。旧型より全長が56mm、ホイールベースが100mm拡大、車高は5mm低められた

ポルシェ911は、まず間違いなく、世界中のクルマ好きが一度は乗ってみたいと思って現実的に目指すことのできる最高のアイドルだ。その人気は不動である。

このたび、初代ナロータイプから数えて7世代目へと進化を果たした。「最新は最良」というフレーズがモデルチェンジするたびに言い添えられるのが常だが、911にかぎらず工業製品ならそれは当り前。そうあえて言わなければいけないあたりに、逆説的だけれども、各世代への熱烈な“911愛”を思わずにはいられない。

各世代ごとに、それを最高と信じて疑わないファンがいるからこそ、わざわざ最新は最良というフレーズが持ち出され、成立するのだと思う。

大胆なモデルチェンジで“デカくなった”

ポルシェ911

クーペのカレラ(7MT 1115万円、7PDK 1190万円)とカレラS(7MT 1379万円、7PDK 1454万円)と、カブリオレ(カレラ 1359万円、カレラS 1639万円)をラインナップ

997型から991型へ。しかも今回は、かなり大胆なモデルチェンジとなった。まずは、大きさ。たしかに、ホイールベースが100mm延長されたわりには、全長は56mm増に収まり、幅は以前と変わらず、車高にいたっては低くなっている。数字上はさほど変わっていない、とも言えるのだが、実物を見れば一目瞭然、やっぱりかなりデカくみえる。

ポルシェは世界屈指のスポーツカーブランドだ。後席の居住性を確保するために車軸間を延ばした、なんてことは決して言わない。997パッケージをベースにコンピュータ解析を試みた結果、ホイールベース+100mmとフロントトレッド拡大がパフォーマンス上、最も理想的という結論になったのだという。

とはいえ、でかく見えること自体、気に入らないひともいることだろう。そういう人は、997以前を遡って求めていけばいいだけのこと。それぞれの時代に“最良”だった“好みの大きさ”が、いくらでも見つかるはず。もっとも、ナロー以前は高騰しつつある。930ボディや964ボディでも、RSなど一部の特殊グレードには異常な人気が集っている。古い911(や356)が欲しいのなら、早く手をうった方がいい。
ポルシェ911

伝統の5連丸形メーターを採用、レブカウンター右側には各種情報を表示する4.8インチTFTモニターを配する。スポーツモードを選択すると室内にスポーティなエンジンサウンドを響かせるSoundSymposerも装備


ついにアルミニウムを積極的に使ったハイブリッドタイプボディとするなど、軽量化にはこだわっている。大きくなって重くなったとは言わせない、ということ。同時に、エンジンスペック(ダウンサイジングした3.4リッター、およびS用3.8リッターともに)も大幅に向上し、かつ7速MT&ダブルクラッチATを組み合わせることで、燃費性能も十分に引き上げた。高性能と高効率の両立である。