変わらぬパッケージとコンセプトで進化し続ける名車

ポルシェ911

2004年に登場した997型と呼ばれる6代目。2008年にはティプトロニックS(AT)に代わるダブルクラッチ式トランスミッションのPDK(ポルシェ・ドッペルクップルング)が採用されている。クーペとカブリオレに加え、ガラスルーフのタルガなどをラインナップ、国内では限定モデルも併せ21モデルが販売されている(2011年5月現在)

ポルシェ911ターボカブリオレ

最高出力500psの3.8リッター直噴ツインターボを搭載したターボ(2015万~2273万円)に加え、最高出力を530psアップさせ装備を充実させたターボS(2365万~2646万円)もラインナップする

世界中のクルマ好きが一度は憧れる名車中の名車。非現実的なスーパーカーを除けば、ある意味、リアルなスポーツカーの頂点、である。とにかく、911シリーズほど、半世紀の長きに渡り、変わらぬパッケージングとコンセプトを貫きつつ、進化し続けてきたスポーツカーは他にない。

その歴史と伝統がすでにブランドと化し、“期待”を裏切らない存在として、多くのファンから支持されている。

水平対向エンジンリア置き/後輪駆動(RR)の4シータークーペというパッケージが911の基礎であり特性である。

ポルシェ911

インパネ回りは5連丸型メーターを初め、伝統的デザインを踏襲する

よって、ここからの離脱は非911化を意味し、ポルシェ=911のイメージが今よりも強かった(今でも他ブランドに比べると、1モデルがメーカーに与える影響度が強過ぎるが)時代には、他モデル展開もことごとく失敗に終わるほどだった。ポルシェが非911モデルでも収益を上げるようになるのは、ミッドシップのボクスター誕生以降であり、同時に911シリーズが飛躍的に支持を広げて以降のことだった。

独特なレイアウトが生み出す、これまた独特なライドフィール。911の魅力は、その個性的なスポーツ性に加えて、日常性の高さを備えていることにもある。要するに、実用域と趣味域を両立したスポーツカーなのだ。コンパクトなボディサイズ、+2席の利便、そして信頼性の高いメカニズムなどが、そのバックグラウンドだろう。

ポルシェ911スピードスター

傾斜したウインドウやダブルバブルデザインのハードカバーなどが特徴的なスピードスター。国内では6台限定(2969万円)とされ、市販や限定モデルのカスタマイズを専門とするポルシェ エクスクルーシブが手がけた

また、ノーマルのクーペから、タルガトップ、カブリオレといったバリエーションに加えて、タイプ964以降のモデルには4WDモデルもある。そして、GTカーの頂点に立つターボや、サーキットマシンというべきGT3といった高性能モデルまで。その豊富なラインナップもまた、911シリーズの魅力である。

憧れ続けてようやく手にしたクルマから、十二分以上の満足度がもらえる。易しそうで難しいこの経験を、911というスポーツカーは与えてくれるのだった。期待に応えてくれるクルマである。
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