「日常生活をより豊かにしたい」という主婦の方(左から松田さん、中村さん、豊留さん)に集まっていただきました。投げかけられるLED全般に関する質問をガイドがずばり回答します
LED照明、省エネの秘密は発光原理にあり
豊留さんQuestion(以下、Q).そもそもですが、LED照明はなぜ省エネになるんですか?
ガイド:外山(以下、ガイド)
Answer(以下、A).最初にふさわしい、いい質問ですね。LED照明の第一の特長といえば、やはり省エネ。白熱電球と比べるとその差は歴然です。その理由は、LED照明、蛍光灯、白熱電球、ちょっと専門的ですがそれぞれの発光の仕組みを知っていただくと、より理解できると思います。
■白熱電球
フィラメントの発熱による発光原理を利用した照明です。ガラス球内のフィラメントに電気を流すと発熱すると同時に、光を発生させます。これが白熱電球の発光原理です。小型で軽量、集光や配光制御が容易で、調光も可能なことなどの特長が挙げられます。ただし、エネルギーのほとんどが熱として放出されるので、現在では、ややエネルギー効率の悪い照明となっています。
■蛍光灯
放電によって発生させた紫外線を、蛍光体に当てることで可視光線を生じさせる照明です。内側に蛍光物質を塗布し、アルゴンガスとごくわずかな水銀を封入したガラス管、いわゆる蛍光管の両端から電子を放出します。放出された電子は、管の中にある水銀原子とぶつかり紫外線を放ちます。その紫外線が蛍光管内に塗布された蛍光物質に当たると可視光線が発生するという仕組みですね。発熱によって光を発生させている白熱電球に比べ、エネルギーの無駄が少ないんです。
■LED照明
発光ダイオード(LED)を使用した照明です。発光ダイオードは、電気を流すと発光する半導体の一種。電圧を加えた際、エネルギーの一部が光のエネルギーに変換され発光します。LED照明はこの半導体の仕組みを応用した照明器具なんです。半導体のなかで電気エネルギーが直接光に変化するので、白熱電球に比べるとはるかに効率がよく、蛍光灯と比べても省エネです。
このように、照明によってそれぞれ発光原理が異なり、エネルギー消費で高効率なLEDが一番の省エネ照明となっているのです。おわかりいただけたでしょうか。
多くの特長を持つLED照明
LED照明の下に手をかざしてみて熱を体験。白熱電球などに比べると熱くないことに驚きの声が
Q. LED照明が省エネで長寿命だというのはよく聞きますが、そのほかにどんな特長がありますか?
ガイド
A. 虫が集まりにくい、熱をほとんど発しない、紫外線をほとんど含まないので絵などを照らしても退色しにくい、すぐ明るくなる、点滅を繰り返しても寿命に影響しにくいなど、多くのメリットがあります。そのほか、調光といって明るさを変えたり、調色といって光の色を変えることもできるんですよ。
具体的に説明しましょう。虫はある波長の紫外線に引き寄せられるといわれていますが、LED照明は紫外線をほとんど含まないため、あまり集らないのです。赤外線や紫外線もほとんど含まないことから、近くにいて熱くない、絵画や写真を照らしても色あせしにくいというメリットもあります。一般的な蛍光灯などはスイッチをつけるとわずかに間があって点灯しますが、LED照明はすぐに明るくなります。つけたり消したりを頻繁に繰り返す頻度が高く、すぐに明るさがほしいトイレや廊下などに適した照明だといえるでしょう。
色味を変えられる調色機能
次ページもLED照明についての質問にお答えします。