ギリシャの債務危機、そして政治の混乱は、世界の投資家たちの不安の源でした。それが2012年6月17日の総選挙で解消されるかもしれないという報道もありますが、どんな選挙結果であったとしても、ギリシャ問題が本当に落ち着くにはまだ1~2年はかかりそうです。とはいえ、ギリシャ自体の政府債務は44兆円と巨大なワケではありませんし、GDPも大阪府と愛知県の中間くらいの小さい国です。

今は欧州の混乱の象徴ではありますが、決して致命傷になるようなサイズではないとガイドは思っていました。

ワイルドなマーケットはいつもエジキを探している

世界の資産マーケットが大混乱におちいるのは、投機筋が弱り目の資産を標的にしてその売りを仕掛け、リスク商品の価格変動(騰落)を大きくするからです。だれかが売りを浴びせる、価格が下がる、すると売りが売りを呼ぶ展開となり、伝染するようにしてリスク回避の動きが世界に広がり、実態以上に大きな資産価値の下落を誘発します。

投機筋は空売りでもうけた後に、今度は暴落した資産を底値で買いに入り、急落からの急騰でまたもうけようとたくらみます。荒れるマーケットは、ハイエナには二度美味しいのです。こうした動きにマーケットが翻弄される動きが2011年8月から続いています。

マーケットは新鮮で旬な話題であればあるほど敏感に反応します。ですから、投機筋は常に新鮮なネタを探しています。その意味では、もうギリシャは語り尽くされたネタです。話題は、そろそろ次のターゲットであるスペインに移ろうとしています。

なぜ、いま、スペインなのか?

スペインは、GDPが106兆円(世界第10位)、公的債務は84兆円、政府債務のGDP比率は80%(世界第26位、ギリシャは160%で第1位、日本は126%で第3位)というポジションにあります。

そのスペインの国債を欧州系格付け会社フィッチはいきなり3段階引き下げて「BBB」にしました。これは銀行部門の不良債権問題が深刻で、政府債務が膨らむ見込みであるからです。

政府債務比率が80%と極端に悪いわけでもないのに、スペインの銀行の不良債権問題が懸念されているのは、伝統的に中小規模の金融機関が多いことがあります。経営体力が弱い銀行が不動産関連で過剰な融資を繰り返し、2008年のバブル崩壊で重い傷を負っているからです(日本もバブル期には都市銀行は13行もありましたが、今では4行にまで淘汰されたことを思い出してください)。

国内の銀行への資本積み増しと預金保護の枠組み整備がスペインの現実的な課題です。そのための中期的な金融改革が進む間の大量の資金供給を約束してやらねばなりません。

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