居眠りによる交通事故の現状
居眠り運転による事故には、悲惨なものがあります
日本で、居眠り運転によるものと明らかに特定された事故は、交通事故全体の3%程度ですが、眠気による運転操作のエラーや反応の遅れがもたらした事故も含めると、さらに増えると考えられています。アメリカでの調査では、不眠や疲労が関係した事故が、交通事故全体の41~54%を占めると推定されているほどです。
居眠り運転では、事故の大きさも増します。死亡事故は人身事故全体からみると1.2%ですが、居眠り事故に占める割合は5.9%と5倍にもなります。また、アメリカでは不眠や疲労が関係した死亡事故が、全体の57%に達するとも言われています。居眠り事故で死亡率が高くなる原因は、ブレーキやハンドル操作による危険回避行動がとられず、高速のまま事故を起こすからです。
居眠り運転をしやすいのは?
交通事故の発生した状況の分析から、居眠り運転事故を起こしやすい人や場所、時間が分かってきました。居眠り運転を起こしやすいグループは、25歳以下の男性、シフト性勤務で夜の労働時間が長い人、長距離トラックやバスの運転手、睡眠時無呼吸症候群なのにそれを自覚していない人、海外出張や徹夜が多く体内時計が乱れている人などが挙げられています。年齢層別では、20~24歳の次に30~39歳が多く、50~59歳が3番目に多くなっています。
居眠り事故が起こりやすい場所は、カーブしている道です。眠っている間にカーブを曲がりきれず、壁や電柱にぶつかったり溝に落ちたり、対向車と衝突したり歩行者をはねたりしています。しかし、まっすぐな道でも注意が必要です。ハンドルやブレーキを操作しない単調な運転の時には、眠気が襲いやすいからです。
時間帯別では、早朝の午前3~4時と午後3~4時に、多くの居眠り事故が発生しています。ヒトの眠気のリズムでは、この2つの時間帯に眠気が強くなります。普段は眠っている夜中に自動車を運転するということは、居眠り運転のリスクがとても高いということです。
天気によっても、居眠り事故の起きやすさが違います。他の交通事故に比べて居眠り事故は、曇りの日に発生件数が多くなります。これは、晴れた日は明るい光が眠気を減らし、雨の日は緊張感が高まって眠気を感じにくいためと考えられます。
こんなときは運転ストップ!
信号待ちでつい目をつぶってしまうのは、すでに危険な状態です
- 運転に集中できなくなる
- 自分がぼんやりしていることに気づく
- 信号や交通標識、高速道路の出口を見落とす
- 最後の数キロのことが思い出せない
- 頭が重くなる、下がる
- 瞬きの回数が増える
- たびたびあくびをする
- まっすぐ走れず、車がフラフラする
- 知らないうちに路肩を走っている
- 車間距離が詰まる
- 隣の車線や後方の車両に気づくのが遅れる
- イライラしたり、落ち着きがなくなる
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