ニューリッチへの道/ニューリッチへの道

投資サギに引っかからないウラ読みの仕方

今まで、いろいろな投資詐欺がニュースをにぎわせました。そして相変わらず今も続いています。冷静になって考えてみましょう。なぜわざわざ赤の他人に、おいしい儲け話をする必要があるのでしょうか。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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赤の他人においしい儲け話はしないもの。売り手の意図とは?

今まで、いろいろな投資サギがニュースをにぎわせました。そして相変わらず今も続いています。冷静になって考えてみましょう。なぜわざわざ赤の他人に、おいしい儲け話をする必要があるのでしょうか。本当においしいのなら、身内だけでやるはずです。年利20%も儲かるのなら、銀行からお金を借りて、消費者金融でキャッシングしてでも、自分でやったほうがよいはずです。
なぜオイシイ話に引っかかるのか?

なぜオイシイ話に引っかかるのか?

なぜ「こんな有利な商品があります」というセールスの電話がかかってくるのでしょうか。なぜそのようなDMが送られてくるのでしょうか。

私は不動産の仕事をしているのでわかるのですが、本当に優良物件なら、既存顧客にメールを送るだけで売れてしまいます。わざわざインターネットに物件を掲載したり、電話をかけたりDMを送ったりというセールス活動は一切不要です。魅力のない物件は結局、「営業しなければ売れない商品」であることが多いわけです。

投資の世界にいるとわかりますが、基本的には、みな自分が儲けることしか考えていないというのが実情です。それは良い悪いではなく、仕事である以上、当然のことでもあります。投資家であれば、儲けることが投資へのモチベーションです。
社会に貢献するためとか口上を述べる人もいますが、本当に社会貢献したいなら、寄付をすればいいだけの話ですから。まずは売り手の、そういう動機を知っておくことです。

「この人はナゼこんなセールスをするのか?」を考えてみること

かつて、近未来通信という会社があり、利回りが30%とか40%といった高利回りを謳っていました。そのとき知人から、それに投資しても大丈夫か、と相談がありました。そこで私は、こう答えました。

「詳しいことはよくわかりませんが、もし私がその会社の社長なら、銀行からお金を借りて自分で投資すると思いますよ。銀行借り入れのほうが金利が低いし、そのほうが儲かりますからね。あえて資金を集めて顧客管理もして、さらに40%もの配当を出すなんてバカバカしいじゃないですか。」


その後、その人が投資したかはどうかわかりませんが、ほどなく近未来通信は破綻しました。また、大手証券会社から利回り17%の外債投資の営業を受けている、という相談があったとき、同様に次のように答えました。

「大手証券会社なら金利1%以下で借入ができるでしょう。なら差し引き、17%-1%=16%も利回りがとれるので、銀行から1億を借りて投資すれば、年間1,600万円の利益。10年運用して1億6,000万。そうなってから元本を返しても、元本以上の利益が手元に残ります。わざわざ投資家を募らなくても、それだけで会社を運営できるじゃないですか。でも私がその証券会社の社長ならやりません。なぜなら、利回り17%がずっと続くわけではないと思うからです。今は確かに17%かもしれませんが、利下げがあるかもしれません。為替変動リスクを考えると、むしろ17%じゃ低いと思いますよ。それなら販売に徹し、手数料をいただいておしまい、というビジネスモデルのほうが安心だと考えます。」


その後、その人が投資したかどうかはわかりません。

運用で儲ける自信がある人なら、他人のお金を預かるリスクを背負うよりも、自分だけで運用することを選びます。それに、情報開示の必要もなければ説明義務もないので、手間もかかりません。確かに資金総額は大きい方が、得られる利益も大きいので、もしやるとしても、「利益の○○%をください」という成功報酬型にするでしょう。あるいは、たとえばホテルやゴルフ場を作るなどといった大規模開発では、自分のお金だけでは足りないし、自分の取り分も大きくなるため、お金を集めることもあるでしょう。

そうでなければ、あくまで私の個人的見解ですが、お金を集めることにそれほど魅力を感じないのです。私も、運用してくれと言われることがありますが、すべてお断りしています。人様のお金を預かり、運用状況を説明する手間ひまを抱えるよりも、自分のお金の運用に徹したほうがラクだからです。

いずれにせよ、お金を出す前に、「この人は、なぜ自分にこんなセールスをするのだろう?」を考えてみてはいかがでしょうか。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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