豊富なランチメニュー、“魚力ルール”でおまけの一品が
「魚力(うおりき)」の狭い間口、入口付近はまさに魚屋さん。店内へ入ると右の壁にずらりとメニューの札が並んでいます。ここでオーダーしたいものを決めて札を取り、札を持った状態で席へと着くことになります。私自身も過去に経験していますが、ランチメニューは10種類近くあり、この場であれこれと迷いそうになります。後ろに並んでいる人たちから、無言のプレッシャーを受ける可能性があるので、あらかじめ目当てのメニューを決めて行くのもいいかも知れません。
友人と2人で訪れたこの日、私は「鮭ハラス焼き定食」(1000円)、友人は「サバ味噌煮定食」(1000円)をチョイス。1階のカウンター席が埋まっていたので、2階のテーブル席へと通されました。
女性には1人での入店に少しハードルがありそうな、いわゆる定食店。しかし、こちらはいますね、1人で来店する女性客が……これも支持されている証でしょう。
同店には、独自の決まりである“魚力ルール”があります。その1つは、手に取ったオーダーの札です。席に着き、その札を店員に差し出すのですが、札の裏に番号(数字)が書かれています。その番号と日々変わる店内に掲示されている番号が一致すると、“当たり”としておまけの一品がもらえます。おまけメニューの一例ですが、「明太子」、「たらこ」、「しらすおろし」、「納豆」などご飯が進むものが揃っています。
この日の掲示番号は4つ。友人は外れましたが、私は当たり! 「明太子」をもらいました。この日の当たる確率は40%でしょうか。雨に日にはさらに番号が増えるので、結構高確率で当たりそうですね。
目の前に並べられた品は、オーダーした魚料理に、ご飯としじみの味噌汁だけではなく、それぞれに刺身の小鉢が付いてきます。さらに各テーブルにはひじきの煮物がドカっと置かれていて、小皿で好きなだけ取って食べることができます。ちょっと嬉しいサービスです。
脂のノリがいい鮭ハラス、そして骨まで食べられることを謳っているサバ味噌煮。こちらのサバ味噌煮は、マスメディア等で紹介されることも多く、人気メニューの1つです。友人と双方少しずつシェアをし、刺身、ひじき、おまけの明太子を含めて、サクっと完食しました。
「ご飯」「味噌汁」「ひじき」がおかわり自由、旬のメニューも
魚力では、ご飯と味噌汁、ひじきがおかわり自由です。ただしご飯については、一口でも残すと500円の罰金となります。農家の方に申し訳ないとの理由で、こちらも昔からある“魚力ルール”です。私は必ずといっていいほどこちらでは、ご飯も味噌汁もひじきもおかわりをしますが、ご飯に関しては「あと、半分だけください」など、その日の体調と相談しながら慎重に頼んでいます。かといって、店員の方が“食べ残し”に対してピリピリと目を光らせている、というような雰囲気ではなく、家族経営による温もりある定食店ですので、ご安心のほどを。
同店で個人的に特にお気に入りなのが、しじみの味噌汁です。これでもか、というくらいしじみエキスが凝縮され、この味噌汁だけでご飯一杯いけそうな印象です。
豊富なランチメニューの中では、これまで「銀だら塩コショー焼き定食」(1360円)を一番多くオーダーしています。他のメニューが1000円の中、この一品だけが、値段でも“主張”していますね。大きな切り身が絶妙な焼き加減、味付けとともに運ばれてきます。プリプリの弾力ある身と塩コショー……クセになっています。
魚力では、魚を扱う店らしく旬のランチメニューも存在します。暑さが増してきていますが、先日伺った際には、そんな季節にぴったりの「あじのなめろう定食」(1000円)がありました。秋には当然のごとく「新さんまの塩焼き定食」などが登場します。
事前にホームページ等でメニューをチェックして、“旬”を追いかけるのもいいかも知れませんね。
第一回の総選挙や国会が行われた明治中期に源を発する定食店で、ランチはいかがでしょうか?
■魚力
住所:東京都渋谷区神山町40-4
TEL:03-3467-6709
営業時間:11:00~15:00、17:00~23:00(土曜日は22時まで)
定休日:日・祝
地図:Yahoo! 地図情報