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エネルギーの最適利用、そして地球温暖化の抑止のためにも、住宅の「省エネ化」は避けて通れない。

5月14日午後2時、東京電力から2012年3月期の決算内容が公表されました。それによると、5兆3494億円の売上高に対し、最終損益は7816億円の大幅赤字となりました。販売電力量の減少や東日本大震災により被災した資産の復旧費用(特別損失)がかさみ、前期同様、巨額の赤字を計上する結果となりました。

また、同社は来期の予想も同時に発表しており、2013年3月期は売上高が約6750億円増の6兆250億円程度、最終損益は1000億円程度の赤字になるとの見通しを示しています。電気料金改定の影響や、景気の緩やかな回復による生産の持ち直しなどにより販売電力量が増加し、売り上げに貢献するとの目算です。すでに電気料金の値上げが売り上げに織り込まれているのは、電気の需要者(消費者)として何とも複雑な心境です。

さて、わが国は人口減少や少子高齢化の進展に加え、昨春からは東日本大震災を契機としたエネルギー制約にも直面しています。今夏(2012年)の電力需給見通しは、原発の再稼動がない場合、関西電力のマイナス14.9%を筆頭(最悪)に九州電力のマイナス2.2%、さらに北海道電力のマイナス1.9%と、電力会社9社のうち3社が電力不足(マイナス)に陥る見込みです。

幸い、東京など東京電力管内はプラス4.5%との見通しが示されていますが、最も電力不足が深刻な関西電力管内では20%程度(2010年比)の節電目標が必要と試算されています。政府は供給に余力がある中部、北陸、中国の各電力会社にも5%の節電を要請し、電力を融通させることで難局を乗り切ろうと画策しています。同時並行して、計画停電と企業などの大口需要家に節電を強制する電気使用制限令も検討しており、関西エリアは“節電ファシズム”の洗礼を受けることとなります。

都市の低炭素化を図るため、国民総出による地球温暖化対策が本格始動する 

このように、オールジャパンによる電力不足への対応策が不可欠となるなか、「節電」=「電気の最適利用」を実現するには“省エネルギー化”への取り組みも欠かせません。国はひっ迫するエネルギー供給や地球温暖化の進行を踏まえ、エネルギー利用の合理化を加速させるべく、高い省エネ性能を有する住宅の普及・促進に向けた施策に動き出しています。

具体的には、「都市の低炭素の促進に関する法律」を2月28日に閣議決定し、次のような取り組みを始めています。

  1. 国土交通大臣、環境大臣、経済産業大臣による都市の低炭素化の促進に関する基本的な方針の策定
  2. この基本方針に基づく市町村による低酸素まちづくり計画の作成
  3. 低炭素建築物の普及・促進のための措置

これから住宅を取得しようという人に直接関係するのが、3番目に挙げた「低炭素建築物の普及・促進のための措置」です。二酸化炭素の排出量が低減された住宅を認定する制度を創設し、認定された住宅を新築あるいは購入した人に対して住宅税制を優遇する特例措置を設けることとしています。これにより、「住宅ローン減税」の減税額の拡大や「登録免許税」の軽減措置が受けられるようになります(※)。

(※)現在、「都市の低炭素の促進に関する法律」は成立しておらず、国会で成立・施行後に税制優遇が実施される予定です(5月16日現在)。


 そこで、新たに創設される措置の中身を次ページで詳しく見てみることにしましょう。