不妊症/妊活・妊娠したい人のための生活のコツ

自分で出来るART(体外受精・顕微授精)サポート

最近、不妊治療の勉強会などで治療をされている方、それも特に高度生殖医療(体外受精・顕微授精)をされている方からされる質問で最も多いのが、「体外受精は費用が高いので、出来れば1回で妊娠に結びつけたい。そのために自分で出来ることはありませんか?」という質問です。

執筆者:池上 文尋

最近、不妊治療の勉強会などで治療をされている方、それも特に高度生殖医療(体外受精・顕微授精)をされている方からされる質問で最も多いのが、「体外受精は費用が高いので、出来れば1回で妊娠に結びつけたい。そのために自分で出来ることはありませんか?」という質問です。

その質問を受けるたびに決して安くない費用の治療なのに頑張ってトライし、そのチャンスを無駄にしたくないという気持ちがひしひしと伝わってきます。

そこで今回は自分で出来るART(体外受精・顕微授精)サポートについて3つお伝えしていこうと思います。
 

【その1】ストレスをためない

1つ目の自分サポートはストレスマネージメントについてです。

世界的な権威である生殖医療の雑誌「Fertility and Sterility」において、ストレスと妊娠率についての文献が出ています。

その要約は下記の通りです。

ストレスは妊娠の確率を低下させることが、NIH(アメリカ国立衛生研究所)の研究者らが実施した試験で確かめました。
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ストレス対策にリラックスは常に心がけたいですね。


妊娠を望む18~40歳の274名の女性に、月経サイクル6日目に唾液中のストレスマーカー物質を測定し、その後の妊娠の有無について6周期を最大に調べました。

その結果、ストレスの目安とされる物質である「アルファアミラーゼ」の濃度が高いほど、妊娠率が低くなることが分かりました。

アルファアミラーゼの濃度によって4つのグループに分け、年齢をはじめとする妊娠率に影響を及ぼす要因を排除した結果、最も濃度が高かったグループは最も低いグループに比べて12%妊娠率が低下したとのこと。

ただし、もう1つの目安としたコルチゾールと妊娠率との相関は見られませんでした。このことから研究グループは「ストレスは妊娠しづらくさせる可能性がある」と結論づけています。

また、もうひとつの権威的な雑誌「Human Reproduction」で紹介されていますが、なかなか子どもが授からないことや不妊治療で感じるストレス以外の日常生活で感じるさまざまなストレスが、その後の体外受精の治療成績にマイナスの影響を及ぼすことが、デンマークで実施された試験の結果、明らかになりました。

ストレス解消法についてはそれぞれ人によって違うと思いますが、不妊治療中においては特に意識して実施することが成績に結びつくのかなと感じております。
 

【その2】血流を改善する

女性の場合、冷え性の方が多く、それは同時に身体の循環不全、血流が滞っている状態です。妊娠に関わるメカニズムとして、ホルモンの働きは欠かせません。

ホルモンは血流に乗ってターゲットとする細胞に到達し、そこで効果を発揮します。よって血流が滞っているとホルモンがきちんと機能してくれないことに結びつきます。

また解剖学的には、卵巣・子宮に対して、温かい動脈は遠くを流れ、冷たい静脈は近くを流れており、さらに冷たい静脈は温かい動脈よりも太くて接触面積も大きいため、卵巣や子宮は冷えやすい環境にあるといえます。このことが、冷えが不妊の原因といわれる一つのメカニズムとなっているのです。

そこで身体を温め、血流をよりよくしようという動きが徐々に浸透しております。

そのため、様々な製品が出てきていますが、最近では不妊治療の医療用機器として医療機関で使われている遠赤外線温熱治療器「サンマット」の体外受精時だけ借りることの出来るレンタルプランが開始されたことが話題になっています。
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サンマットには様々なタイプがあるようです。


クリニックに行ってサンビーマ(遠赤外線治療器)をかけたりすることがなかなか出来ない方、サンマットを買うのは少し高いと言われる方には必要な時だけ借りるというサービスはありがたいのではないでしょうか?

体外受精時の睡眠時に身体を温めることは血流改善と共に睡眠の質を上げることが期待できるかと思います。

サンマットレンタルプラン
 

【その3】妊活中はお酒を控える

産婦人科雑誌の権威「Obstetrics & Gynecology」で紹介された文献です。
アメリカのハーバードメディカルスクールの研究チームは、飲酒と体外受精の治療成績の関係を調べるために、1994年から2003年までの間にボストンに3つの不妊治療クリニックで体外受精を受けたカップルに治療開始時に、アルコールの摂取についてのアンケートを実施しました。

その結果、体外受精に臨む2,545組のカップルの内、41%の女性、58%の男性が週に1~6単位のアルコールを摂取しているとの回答がありました。
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アルコールもほどほどに。


年齢や喫煙、肥満度、治療周期数などの影響を排除し、4,729周期の治療成績との関係を調べたところ、週に4単位以上のアルコールを摂取する女性は、4単位未満の女性に比べて、出産に至る確率が16%低く、女性も、男性も週に4単位以上のアルコールを摂取するカップルは、どちらも4単位未満しか飲まないカップルに比べて、出産に至る確率は21%低く、受精率が48%低いことが分かりました。

このことから、アルコール摂取はたとえ少量でも体外受精の治療成績にマイナスの影響を及ぼすとしています。
 

まとめ

今回は体外受精時のセルフケアについて書いてみました。
体外受精や顕微授精は安いところでも20万円台、高いところなら100万円ぐらいかかる治療です。それが妊娠に結びつかなければ、ほんとやるせない気になってしまいますよね。

少しでも確率を上げられるよう、今後もこのシリーズは書いていこうと思っております。

最後に今回の記事は(株)パートナーズのサイト「妊娠しやすいカラダづくり」を参考にさせて頂きました。細川社長、ありがとうございました。


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