ローリスク投資ができる商品、MMFとは?
リスクがあるから、初心者はリスクの低いものを含めていこう。リスクが低くても、全くないわけではない
外貨建てMMFの落とし穴に注意
MMFには「外貨建て」のものもあります。円建ての金融商品を組み入れているのは円建てMMFですが、米国債など、米ドル建ての金融商品を組み入れていれば、米ドル建てMMFになります。豪ドル建て、ユーロ建て、英ポンド建て、カナダドル建て、ニュージーランドドル建て、南アフリカランド建てというものもあります。円建て・外貨建てどちらでも、MMFは比較的安全な金融商品を組み入れているのが特徴ですが、円建てと外貨建てではリスクのレベルが違います。外貨建ての商品には為替リスク(為替変動によるリスク)やカントリーリスク(その国の情勢に伴うリスク)が伴うので、「リスクを取りたくない」と考えるのなら、外貨建てを選ばないほうがいいでしょう。円に対して対象通貨が安いとき(つまり円高のとき)に買い、その後対象通貨が値上がり(つまり円安になる)すればいいですが、必ずしもそうなるとは言えません。
南アフリカランドなど、マイナー通貨は高金利だが……
マイナー通貨の金利は米ドルのように世界の基軸となる通貨よりも高く設定されていることが多く、魅力を感じてしまいます。たとえば、11年1月末時点で、円建てMMFや米ドル建てMMFは、大体どの商品も0.1%以下ですが、南アフリカランド建てMMFは4%台。ですが、マイナーで流通量の少ない通貨は、為替の変動が激しく、リスクが大きいものです。ジェットコースター並みのスピードで暴落するので、初心者が気軽に買うと、痛い目に遭うかもしれません。また、高金利のメリットを打ち消しかねないほど、手数料が高いというデメリットもあります。これは外貨預金についても同じことが言えます。「預金」とつくので、安全そうなイメージの外貨預金ですが、実は円建ての預貯金よりも、格段に高いリスクを取る金融商品でもあるのです。
もう一つのローリスク商品、MRF
MRF もローリスクな金融商品で、マネー・リザーブ・ファンドの略です。MMFと同様、公社債投信の一種で、MMFのように金融機関で買うわけではなく、証券会社で証券総合口座を開き、MRFの申し込みをすることで購入が可能です。 どういうことかというと、まず証券会社に口座を開き、そこにお金を入れると、自動的にMRFに回されるのです。投資信託なので元本保証ではないものの、安全性の極めて高いもののみで運用するため、ほとんど元本割れすることはありません。普通預金よりは多少利回りが良いので、預けっぱなしにしているお金は証券口座に入れるのも手です。今回は国債やMMF、MRFといったローリスクの金融商品のお話が中心になってしまいましたが、攻めるお金の「リスクを取らない3割の部分」の参考にしていただければと思います。リスクを取る7割の部分については、また次回とさせていただきますね。